「SATC」俳優、クリス・ノースが過去の性的暴行を訴えられ「合意の上」と反論|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「SATC」俳優、クリス・ノースが過去の性的暴行を訴えられ「合意の上」と反論

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「SATC」俳優、クリス・ノースが過去の性的暴行を訴えられ「合意の上」と反論

ニューヨークでは、コロナ禍で英雄扱いを受けていたアンドリュー・クオモ元州知事が一変、セクハラの加害者として、過去に被害を受けたと主張する複数の女性から告発された。米国では12月9日よりHBO Maxで配信され、久しぶりに話題を呼んでいる米HBOの人気シリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」(「SATC」)の続編「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章」でミスター・ビッグを演じているクリス・ノースも、2人の女性から性的暴行を訴えられる事態に陥っている。

「Hollywood Reporter」によれば、訴えを起こした2人の女性は、お互いに知り合いでもなく、同誌に話を持ち掛けた時期も2か月違っており、示し合わせたわけではないという。プライバシーを守るため名前は伏せているが、仮名ゾーイと名乗る女性は、人気テレビシリーズ「SATC」のシーズン6の放送が終了した2004年、当時22歳の時にロサンゼルスのノースの自宅で、もう1人の女性で仮名リリーは2015年、当時25歳の時にニューヨークで性的暴行を受けたと訴えている。


リリーは現在ジャーナリストで、今年8月に同誌にメールでコンタクトを取り、現在もエンタメ業界にいるゾーイは10月に同誌に連絡を取ったという。ゾーイは、「身元がばれた時の反動が怖かったので長年にわたって記憶を封印してきました。悪夢やフラッシュバックに悩まされ、食欲減退や精神に支障をきたしたことから、レイプ専門のカウンセリングも受けてきました。でも、彼が新作でミスター・ビッグとして復活したことで、私の中でなにかが動き出したんです。いまこそ、彼がどんな人間かを公にする時だと思いました」と、17年前の出来事をいま告発した理由について語っている。

ゾーイによれば、「当時私は大学を卒業して、セレブと仕事をするある有名企業で、新入社員として働いていました。彼は私のデスクに立ち寄っては私を口説き、なんらかの方法で会社の名簿から私の仕事用の電話番号を入手し、ボイスメールにメッセージを残していたんです。当時の私のボスにも聞いてもらい、『ミスター・ビッグから口説きのボイスメールが入ってるわよ』と言われていた」そう。その上司も「クリスは当時49歳で、なにかおかしなことをしているとは思いましたが、特に警告するようなことだとは思っていませんでした。なにしろ当時『SATC』は人気絶頂期で、クリスは私たちにとっては神のような存在でしたから」とゾーイの証言をサポートしている。

ノースは当時ニューヨークに住んでいたが、ゾーイを彼の所有するウェストハリウッドのマンションのプールに招待した。ゾーイは同じマンションに住む友人がいたため、しばしばプールにも通っていたこともノースに話した。2004年8月に、東海岸に住む大学時代の親友が訪ねてきた際に、ノースと3人でジャグジーに入りながら、ノースがゾーイの大学時代の専攻や学んできたことを尋ね、「今度この本を題材にしたプロジェクトを考えているから、この本を読んでほしい」と本を渡されたという。ゾーイと友人によれば「そのあと彼は、電話をかけに部屋に戻ったのですが、本を置いていき、読んだら部屋に持ってきてほしいと言いました。私はハリウッドで働き始めてまだ2か月の新人なのに、彼が私の意見を聞きたいと言ってくれたので、とても光栄に思いました」という。

しかし、部屋に行くと、ノースは彼女にキスをしてきたという。その時は「友人に自慢できるレベルのお礼のキス」と勘違いしてノースにキスを返して本のお礼を言ってから「友人のところに戻ります」と告げると、ノースは彼女をベッドに押し倒し、後ろからビキニを脱がせレイプしたという。ゾーイは、「私は『やめて』と叫びましたが、やめなかったので『せめてコンドームをつけて』というと、彼は私をあざけり笑った」そうだ。

その後、ゾーイが同じ建物に住む友達の部屋に逃げこむと、そこに現在ボストンで児童心理学者として働く友人もいて、「ゾーイは突然よそよそしい感じになり、なにがあったのか聞いても、プライベートなことは話さないの1点張りでした。その場を去ってエレベーターに乗っても目を合わさず一言も話しませんでしたが、車に乗りこんでから『なにがあったのか私に話して』と言いました。その時、彼女がなんと言ったのかは覚えていませんが、彼女に『病院に連れて行く』と言ったのは記憶があります」と証言している。2人は病院に行き、警察には「暴行を受けてけがをした」と話したものの、誰にやられたかは、今後のキャリアのことを考えて言えなかったそうだ。当時の彼女の上司も、「彼女からノースに暴行されたことを聞いたが、彼女から誰にも言わないように頼まれた」と同誌に語っており、2人の証言者がいる。

また2015年、もう一人の女性リリーは当時25歳、ノースは60歳で、2012年に結婚したタラ・ウィルソンとの間に当時7歳だった男の子、オライオン・クリストファーがいた。リリーが働いていたニューヨークのクラブで知り合い、リリーはノースにディナーに誘われたという。学生時代から友人のアレックスからノースとのディナーを断るように言われたが、かねてからノースのファンだったというリリーは、夢のような気持ちでディナーに同行。その後自宅に誘われ、ウィスキーを飲んでリラックスしていたところ、後ろから性的暴行を受けたという。「結婚しているのにというと、一夫一妻制はおかしいと言ってきた」「ずっと好きだったスターに対する夢はすべて失われた」というリリーは、ウーバーを呼び、車の中からアレックスにヒステリックな様子で電話を掛けたそうで、アレックスがその際の様子について証言している。その後ノースは、「とても楽しかったけど、君はどうだった?」というボイスメールなどと共に、口止めを要求。幾度となくディナーに誘ってきたため、とりあえず約束だけしてはキャンセルするなどの対応を繰り返し、その後は1度も会っていないという。同誌は、ほかにも、同年3月と4月にノースがリリーに送ったテキストメッセージなどのやり取りを入手しているそうだが、ノースは性的関係があったことを認めたうえで、「2人とは合意の上だった」と主張。暴行を否定すると共に、続編配信のタイミングで告発したことに疑問を投げかけるありさまだ。

ハリウッドで当時人気絶頂、相手の女性がファンだったことから天狗になっていたノースが、「女性たちは喜んでいる」と思いこんでいた可能性も指摘されており、今後、この流れに新たな女性たちの告発が加わるのか、またノースの主張がどのように解釈されるのかなど、今後の動向にも注目が集まっている。

ノースには、2020年に誕生した次男のキーツもおり、この報道の4日前には、キーツの写真を自身のInstagramにアップ。良きパパぶりを見せていた。

文/JUNKO

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