永山瑛太監督×役所広司主演のショートフィルム『ありがとう』ポスタービジュアル&場面写真が一挙解禁

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永山瑛太監督×役所広司主演のショートフィルム『ありがとう』ポスタービジュアル&場面写真が一挙解禁

<コメント>
●永山瑛太(監督・脚本)
-本格的な監督業は本作が初かと思いますが、「ありがとう」が完成したいまの率直なお気持ちを教えてください。
「今年の3月頃から脚本を書き始めて、純粋にものづくりに向き合い、ロケハン、衣装合わせ、撮影、編集とすべての工程に携わらせていただきました。そして、ようやく完成を迎えたいまは達成感と感謝の気持ちでいっぱいですし、気分がとてもいいですね。『ありがとう』を手掛けるにあたって、自分のなかには明確な答えがあった気はするのですが、それは何なんだろう、と分からないから映像化したかったんです。それがついさっき完成して、作品を通して“生きる”ということを自分自身でも確認したかったのかな、と少しだけ答えが見えてきた気がします」

-今回脚本も担当されていますが、どのようなところから作品の着想を得て、物語に落とし込んでいったのでしょうか。
「素直にいま自分が一番撮りたいと思ったものを、初めてのショートフィルムで撮りたいなと思っていました。ただ俳優になる前から、遊び半分ですが兄や友達と映像を撮っていたことはあるんです。思い返すとその時から一貫して、死生観を描いた作品が多かったので、自分のなかで繋がりはあるのかな、とは思います」

-主演の役所広司さんとの作品づくり、撮影はいかがでしたでしょうか。
「この作品に関して、そしてこの男の生き様を描く時に、真っ先に思い浮かんだのが役所広司さんでした。役所さんに出演を断られたらこの作品を撮る意味は無いとも思っていたので、オファーを受けてくださったことは感謝しきれないですし、僕にとってとても大きなことでした。役柄や物語に関しては事前にお話ししましたが、役所さんは俳優としてそれ以上の要素を現場に持ってきてくださったと思います。そして、ディスカッションをしながら撮影していきましたが、もう役所さんがカメラの前にいるだけで、生きていた経験値や生き方すべてが全身から溢れ出ているんです。なので狡いかもしれませんが、ある程度は役所さんに委ねながら、僕はそこに生まれる空気感とリズムを大切にして撮影を進めていきました」

-特に注目していただきたいシーンはありますか。
「もう全カットです。本当に我が子のような気持ちなので、全てが愛おしくてしょうがないです」

-本作品に込めた想いを含めて、視聴者へのメッセージをお願い致します。
「すばらしいキャスト・スタッフの皆さんと、自分が本当に撮りたかったものが撮れて個人的には大満足の仕上がりです 。観ていただいた方それぞれが感じたことが全てだと思いますので、先入観をあまり持たず、まずはこの作品を楽しんで頂けたらうれしいです。そして欲を言えば、観た後に作品の感想をどなたかと一緒に話し合って貰えれば、さらにうれしいですね」


●役所広司(主演)
-ご自身の監督作品『ガマの油』に出演なさった永山瑛太さんの監督作品へのご出演となりますが、監督と役者の立場が逆になった今回の撮影はいかがでしたでしょうか。
「僕も前に監督をやったときに出演してもらった恩義がありましたし、ずっと何かの形で返せればいいなと思っていました。あれから10年以上経って、瑛太くんはとてもすばらしい俳優になり、彼が手掛けるショートフィルムとはどんなものだろうという興味心も強かったですが、この作品に参加できて良かったなと思っています。監督の瑛太くんは現場の温度感を感じながら自分の直観を大切にし、そして決断力もある。すばらしかったです」

-今回どのように撮影に臨まれたのでしょうか。役所さんが考えた作品・役への想いなどあればお教えください。
「今回演じた物語の主人公は、何の傷かは分からないが心にも体にも傷を負っていて、人生に迷いながら生きる実に不器用な男でした。台本は事前に読み込みましたが、あくまでも瑛太くんの頭のなかのイメージを具現化するにあたってのメモのような役割のものだと思ったので、現場に入ってから順応していくことを大切に撮影に挑みました。このメモのなかから何が生まれてくるか、そしてどれだけ臨機応変に対応できるかは、俳優として楽しみでもあり不安でもありましたが、瑛太くん・スタッフと話し合い、知恵を重ねることで、その場その場で信じた一番よいものを形にしていくことができたと思います」

-視聴者へのメッセージをお願い致します 。
「永山瑛太という、不思議でユニークで、素敵な俳優がこの『ありがとう』というショートフィルムを撮りました。まだ若い彼ですが、いままで生きてきた人生のすべてが、この作品に集約されていると思います。瑛太くんの頭の中を覗いたようなおもしろさがあると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください」


文/久保田 和馬

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