『呪怨』OV版レア上映に“伽耶子”本人が降臨!清水崇×藤貴子が語る、最恐ホラーアイコンの秘密
「違う人が伽耶子を演じると、やっぱり違う」(清水)
清水「撮りつづけている時にも感じたんですが、藤さん以外の人に同じ動きや同じ表情をさせてもやっぱり違うんですよね。『貞子vs伽耶子』とか、ほかの監督が撮った作品では違う人が演じていますが、僕のなかではその表情じゃないだろうと。伽耶子はやっぱり藤さんなんです」
藤「ありがとうございます」
清水「こんなにずっとお化け役の印象になるとは思わなかったでしょう。それは僕のせいです。すいません。でも最初は知らなかったんですが、Vシネの長編で決まった時に改めて藤さんにお願いしたいと所属事務所のプロフィールをいただいたんです。そこで気が付いたのは、僕と同い年で誕生日まで一緒だったということです」
藤「運命的ですよね」
清水「毎年同じ夏の日に一つずつ年を重ねていき、シリーズを追うごとに電話をかけて、筋トレしておいてねとか」
藤「言っていましたね。でも筋トレはすごく難しくて、やりすぎるとムキムキになってしまいますし、もう階段降りは筋肉とかじゃないんですよね。その時の気合いです(笑)」
清水「肉体的に一番大変ですよね。お化けだから物理的な大変さが表情に出ないようにしなきゃいけないし、逆さになった時とか青ざめてきちゃって『一回降りて!』とか」
藤「かなり気を遣っていただいたんで危険なことはなかったんですけど、とにかくいろんなことをやっていましたね」
清水「やらせちゃいましたね」
藤「でもとても楽しかったです。かなりアナログだったので、大人たちがあーでもないこーでもないって仕掛けを考えているのを見てておもしろくて」
「自分の人生のネタとして最高におもしろい」(藤)
藤「いまでも若い方とか、『呪怨』を観たことがない人がいても伽耶子のことは知っていて。伽耶子役やっていると言うとみんな楽しんでくれる。それは自分の人生のネタとして最高におもしろいことで、本当にありがとうございます」
清水「アメリカだとジェイソンやブギーマンもダークヒーローとしてファンがたくさんいて、サイン会に長蛇の列ができるんですよね。ハリウッド版のプロモーションの時に、藤さんが来られなかったけれどロサンゼルスのホラー専門の書店でサイン会をやることになって、日本に大量にポスターを送ってサイン書いて送ってもらったことがあったじゃないですか。それに僕のサインも足したら、サラ・ミッシェル・ゲラーのサイン会よりも列ができて大変なことになって。ここに藤さんを呼べたらなあって思いました」
藤「海外の人たちは元々ホラー好きな方も多いですし、Instagramをやっていると、みなさん自分で仮装してタグ付けして見せてくれたり。すごいなって思ったりしています。でも私自身はホラー映画を自分から積極的に見ることもないし、霊感もないですし。まあ霊感がなかったのはお化け役をやるうえで良かったかなと。敏感な方で、この家が怖いって言っていた子もいましたよね」
清水「いたいた!」
藤「そういうのを全然感じないからこそ、この役をやりつづけられたんだろうなと思います(笑)」
取材・文/久保田 和馬