『タイタニック』から25年…チョイ役で出演した元子役が、いまだ報酬を受け取っていると告白
レオナルド・ディカプリオを一躍スターダムにのし上げたモンスター映画として、映画史にその名を刻んだジェームズ・キャメロン監督作『タイタニック』(97)が公開されてから、今年で25年目を迎えるが、5歳の時にチョイ役で同作に出演したリース・トンプソン(30)は、いまでも同作から恩恵を受けているようだ。
米ユタ州にあるスキー&スノーボード・リゾートBrian Head Resortで、デジタルマーケティングディレクターとして勤務しており、現在は映画界から遠ざかっているトンプソン。そんな彼が幼少時代にコンテストに入賞したのを機に所属したタレントエージェントから連絡を受け、ガソリンスタンドのCMか、メジャー映画のチョイ役出演の選択を迫られたトンプソンの母親は、数時間の撮影で多額のギャラを受け取れるCM出演ではなく、リスクの高い映画の出演を選択。それが『タイタニック』だった。
「母親は、『いいじゃない。くだらない映画でもいいからやってみましょうよ』と言ったんですが、その映画は大ヒット(現在も世界歴代興行成績3位に君臨)したから、その選択は悪くなかったんです」と「Business Insider」のインタビューで語っている。
当時5歳のトンプソンが演じたのは、名もなきアイルランド人少年役。「IMDb」には“リース・トンプソン”(33)という同姓同名の俳優が登録されているが別人で、トンプソンは『タイタニック』のクレジットにも「リース・P・トンプソンIII/Irish Little Boy」と記されているだけで、母親と姉と共に三等船室の乗客としてタイタニック号に乗船し、ボートでの脱出がかなわずに客室内で海に沈んでいく役どころだった。
3つのシーンに出演しているがセリフは1行。たとえ1行でもアイルランドなまりに苦労したというが、当時の出演料は3万ドル(約340万円)で、学費、車、生活費などに消えたという。
撮影当時の記憶もあまりないものの、その後は年に200ドル(約2万3000円)から300ドル(約3万5000円)の小切手が毎年送られてくるそうで、「『タイタニック』に出演したことは過去のことになっているからちょっと不思議な感じですが、時には100ドル(1万1500円)余分に送られてくることもあります。12年も経ったのに250ドル送られてくるなんて、と不思議な気分になったこともありますが、いまはこれが続くといいなと思っています。僕にとってはお金以上の意味がある」のだそうだ。
トンプソンが受け取っているのはロイヤリティといわれるもので、VHS、DVD、ブルーレイの販売や、デジタル版での再上映、オンライン配信などで収益が出ると支払われる契約を結んでいた様子。同作では、ほかの俳優陣もロイヤリティを受け取っているそうで、いまだ恩恵を受けている人々は多そうだ。
文/JUNKO