山田涼介「全力の真剣さ、全力のおふざけを楽しんで」『大怪獣のあとしまつ』が公開!
『大怪獣のあとしまつ』の初日舞台挨拶が2月4日に丸の内ピカデリーで開催され、山田涼介、土屋太鳳、濱田岳、西田敏行、三木聡監督が登壇。山田が「この映画は大人が全力でふざけているシーンもあれば、大人が全力で真面目に怪獣に向き合っているシーンもあります。三木監督を筆頭に、僕たちキャスト、スタッフさんは全力で作らせていただきました」と完成作に胸を張り、「大人の全力の真剣さ、全力のおふざけをぜひたくさんの方々に楽しんでいただけたら。皆様、各々の感想を共有し合っていただけたらと思います。ぜひこの映画を愛してください」と呼びかけ、大きな拍手を浴びた。
本作は、倒された怪獣の死体処理は果たしてどうなっていたのか?という、巨大怪獣の“死んだ後”の物語を描く空想特撮エンタテインメント。死体処理の責任者に選ばれた特務隊の帯刀アラタ役を演じた山田は「無事に公開することができてすごくうれしい。これだけのお客さんが初日に来ていただけて、すごく幸せ」と喜びを口にし、「この映画は鋭い角度で攻めた映画だなと思っています」と語っていた。
“大怪獣のあとしまつ”という無茶振りに挑む映画にちなみ、撮影現場で「これは無茶振りだったな」という思い出を明かすことになると、山田は「ロケット(ランチャー)を2個、背負ったりしている場面がある。背負いながら走ったり、作業したりするシーンもあったんですけど、あれは本当に重くて。一つ10キロはちょっと言い過ぎかもしれないですが、体感としてはそれくらいあって、それを『2つ持って走ろうか』と言われた時は、『これ、軽くてもよかったんじゃないかな』と思いました」と苦笑い。「質感とか絵で見たときのリアルさは、この重さを表現しないと出なかったんだろうなと納得してやっていました」とこぼしていた。
三木監督は「この映画はリアリズムですから」と笑い、「確かに負担はかかるだろうなと思った。でも重いものが揺れるのと、軽いものが揺れるのとでは、絵として違ってくる。山田さんの身体能力の高さはすばらしい。20キロくらいのものを背負って、ジャンプしたりしないといけない。ジャンプする距離も結構あるので、これはすごいなと思っていました」と山田のアクション力を称えていた。
アラタの元恋人で、環境大臣秘書官の雨音ユキノ役を演じた土屋は「ユキノが草むらを走るシーンがある。特撮のヒロインってだいたい草むらを走るんです。台本を読んだ時に『来た!』と思ってすごくうれしくて」と述懐。「現場に行って『よし走るぞ』と思ったら、草が生えすぎていて進めない。なおかつ撮影が冬だったので、硬いし、グサグサと刺さる。キャーって気持ちで走っていました」と笑顔で振り返っていた。
最後の挨拶では、三木監督が「賛否両論あるというか、いろいろな感じ方のできる映画」と口火を切り、「思ったことを周りにメッセージとして伝えてもらったり、SNSなどに書いてもらえれば励みになる」とコメント。劇場内に設置された巨大風船をバズーカで狙撃して、会場に“大怪獣くん特製風船”を降らせた山田は、「これくらい軽かったらよかったな」とバズーカを見つめ「(劇中では)苦戦しています!」と笑顔を弾けさせていた。
取材・文/成田おり枝