人気ゲーム原作×トム・ホランド主演『アンチャーテッド』、ケネス・ブラナー監督&主演で贈る『ナイル殺人事件』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、トム・ホランド主演のアクションアドベンチャー、アガサ・クリスティの傑作を映画化したミステリー、テニスの最強姉妹を育てた父の驚きの実話に迫るドラマの、心を掴まれる3本!
トム・ホランドが魅せる、ワクワク感を詰め込んだ冒険活劇…『アンチャーテッド』(公開中)
シリーズ5作がリリースされている人気アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」をトム・ホランドを主演に実写映画化。生き別れた兄への思いを抱えたネイサン・ドレイク(ホランド)のもとに、兄のことを知るトレジャーハンターのサリー(マーク・ウォルバーグ)が現れ、彼を宝探しの冒険へと誘う。彼らが狙う宝は、500年前に世界一周を成し遂げたマゼランが率いていたと言われる、消えた船団とそこに積まれた50億ドルの黄金。しかし、彼ら以外にも富豪であるサンディアゴ(アントニオ・バンデラス)が率いる組織も財宝を狙い行動を開始する。「インディ・ジョーンズ」シリーズのような隠された秘宝を探す物語の舞台を現代に移し、ホランドの高い身体能力を活かしたアクションと融合させた、アドベンチャー大作。陸、海、空と様々な舞台で繰り広げられる財宝の争奪編は、次々と飽きることなく状況が変化。宝探しに胸躍らせる、どことなく懐かしさを感じるワクワクする展開がテンコ盛りだ。冒険活劇の定番となる、謎解き、未知なる場所への旅、そしてスケールの大きいアクションを現在の最先端の映像技術で表現しており、難しいことは考えずにただ映画に身を任せたいと思わせる、爽快感あふれる1本となっている。(ライター・石井誠)
それぞれの秘めた愛と欲望が浮き彫りになっていく…『ナイル殺人事件』(公開中)
『オリエント急行殺人事件』(17)に続き、ケネス・ブラナーが監督と、名探偵エルキュール・ポアロ役を兼任。巨大な口髭もすっかり定着したが、今回はその髭の秘話など、原作にはないエピソードも挿入したうえに、ほかの俳優が演じた過去のポアロ映画とも違って、喜怒哀楽の感情が激しく表現されたりもする。ポアロの人間味で共感させる点が新鮮だ。本作がアガサ・クリスティの名作のひとつとされるのは、殺人事件のトリックの巧妙さ、そして登場人物たちの愛の深さが要因。ナイル川を行く豪華クルーズ船で、資産家のリネットが殺される。彼女は親友のジャクリーンから婚約者のサイモンを奪っていただけでなく、多方面から恨みを買っていた。船に乗りあわせていた関係者たちは殺人容疑者となり、原作以上にそれぞれの秘めた愛と欲望が浮き彫りになっていく。ナイル川やピラミッド、有名な遺跡の数々、クラシカルな衣装や小道具など、ミステリーとしてだけでなく、ゴージャスな映画体験を心ゆくまで満喫してほしい。(映画ライター・斉藤博昭)
偉大なる一歩を目撃したような臨場感…『ドリームプラン』(公開中)
世界最強のテニスプレイヤー、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹と彼女たちが生まれる前から「最高のテニス選手にしよう!」と考えていた実父リチャードの破天荒な実話を映画化。テニスに無縁の人生を送りながら、娘たちの才能を信じて、コーチにすべてを捧げる父。彼の途方もないプランを疑うことなく、ついていく家族。貧困、差別といったどんな障壁にも屈せず、アメリカンドリームを成し遂げた家族には愛が満ちあふれていた。金とコネがすべての白人のスポーツであったテニス界に執念で娘を送り込む父のガッツとその裏に隠された葛藤。実際に娘がいる父ウィル・スミスならではのまっすぐな演技に魅せられる。テニス界の扉を大きく開いたウィリアムズ姉妹。彼女たちがいたから、いまの大坂なおみもあるのだと思うと、彼らの功績は計り知れない。その偉大なる一歩を目撃したような臨場感あふれる映像に胸が熱くなる。(映画ライター・高山亜紀)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/サンクレイオ翼