『アンチャーテッド』Vで、北米興収は1位&3位がトム・ホランドに!2位にチャニング・テイタム初監督作も
MCU版「スパイダーマン」でおなじみのトム・ホランドが主演を務めた最新作『アンチャーテッド』(日本公開中)が初登場1位を獲得した先週末の北米興収ランキング。3位には公開10週目ながら前週からランクアップした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(日本公開中)が入り、上位3作品中2作品がホランドの主演作という、どちらも超大作であることを考えればかなり珍しい現象に。
世界的人気ゲームを「ゾンビランド」シリーズや『ヴェノム』(18)のルーベン・フライシャー監督が実写映画化した『アンチャーテッド』。初日から3日間の興行収入は4401万ドルで、これは2022年に公開された作品のなかではトップの成績。またコロナ禍以降の非フランチャイズ作品としてみても『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)の4101万ドルを上回っており、ホランドのスターパワーがいま最高潮に高まりを見せていることを窺わせる結果に。
プレジデント・デーの祝日だった月曜日を含めれば興収5000万ドルをすでに突破しており、全世界興収も1億2000万ドルといわれる製作費をすでに超えている。公開に先立つ海外メディアのインタビューのなかでフライシャー監督は続編への強い意欲を語っており、これはホランドにとって「スパイダーマン」に続く新たな代表作となる可能性も十分に考えられる。
一方2位に初登場を果たしたのは、チャニング・テイタムにとって『ローガン・ラッキー』(17)以来の主演作となる『Dog』。元陸軍レンジャーの主人公ジャクソンが軍用犬を連れて仲間の葬儀に向かう姿を描くロードムービー調のコメディ作品で、「マジック・マイク」シリーズなどでプロデューサーを務めたレイド・カロリンと共にテイタムは監督デビューを果たした。
製作費はわずか1500万ドルで、初日から3日間でそれをほぼ回収。月曜日までの4日間では興収1738万ドルとなっており、若手のホランドに負けんとばかりにテイタムも自身のスターパワーが健在であることを証明。来月に北米公開を控える大作『ザ・ロストシティ』(2022年日本公開)に弾みを付けた。もちろん『Dog』も非フランチャイズ作品。ほとんど人気俳優の力だけで興行的成功を収める作品が同じ週に2タイトルも現れるというのは、フランチャイズ映画全盛のいまの時代においてはとても大きな出来事ではないだろうか。
また、前週1位だった『ナイル殺人事件』(日本公開中)は前週から半減近い大きな下落で4位にランクダウン。第94回アカデミー賞で4部門にノミネートされている濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(日本公開中)は、前週から上映館を86増やし興収も前週比13%アップ。北米公開から13週目にして最高位の16位にランクインし、累計興収は150万ドルを突破。このまま来月のアカデミー賞までは安定した興行を続けることだろう。
文/久保田 和馬