濱口監督&西島秀俊、笑顔!第45回⽇本アカデミー賞、作品賞ほか8部門で『ドライブ・マイ・カー』が圧勝
第45回日本アカデミー賞の授賞式が3月11日、グランドプリンスホテル新高輪にて開催。最多8部門の最優秀賞に輝いたのは、世界の映画賞を多数受賞している濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』だった。最優秀作品賞をはじめ、濱口竜介の監督賞に、西島秀俊の主演男優賞ほか、脚本賞、撮影賞、編集賞、照明賞、録音賞、最多8部門の最優秀賞に輝き、圧勝した。
村上春樹の同名短編小説を映画化した『ドライブ・マイ・カー』は、突然妻を亡くした舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)が、運転手として雇った渡利みさき(三浦透子)との交流を経て、これまで目を背けていたことに向き合っていく。本作は米現地時間3月27日に授賞式が開催される第94回アカデミー賞でも作品賞、監督賞、脚色賞、国際⻑編映画賞の全4部門にノミネートされている。
作品賞のブロンズを受け取ったのは、最優秀監督賞や最優秀脚本賞も受賞した濱口竜介監督だ。「本来、作品賞は、プロデューサーである山本晃久さんが受け取るべきものなんですが、いまアメリカのアカデミー賞関連行事に出席するためにアメリカに行かれているので、代理で受け取らせていただきました。なによりも『ドライブ・マイ・カー』に関わったすべてのキャスト、スタッフの皆さん、そしてその方たちを支えてくださった皆様のおかげで獲れた賞だと思います。本当にありがとうございます」と心から感謝した。
また、最優秀主演男優賞を受賞した西島もステージに上がり「皆さん、本当にありがとうございます」と礼を述べたあとで「こうやって作品を評価していただいて、世界でいろんな方に映画を観ていただいているのも、なにかこう世界の大きな波みたいなものなのかなと思っています。とにかく平和が訪れるように、人々がまた心の絆を取り戻せるようにと、心から祈っております」と語った。
西島は、さらに続けて「この作品がなにか希望の光になるように。また、そのために必要な物はなにかと耳を傾けるということを、本作は伝えているのかなというふうに思っています。今日は3月11日ということで、被害に遭われた方々に哀悼の意を表しながら、いまだに苦労されている方、世界でいろいろ大変な想いをされている方に心を寄せながら、僕も自分のやれることを精一杯、今後もやっていきたいと思います」と熱い想いを口にした。