デル・トロ監督とアカデミー賞俳優らが互いへのリスペクトを語る!『ナイトメア・アリー』特別映像を入手
第90回アカデミー賞で作品賞をはじめ4部門に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)のギレルモ・デル・トロ監督が、ふたたびサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ『ナイトメア・アリー』(公開中)。このたび本作から、デル・トロ監督やケイト・ブランシェットらキャスト陣が撮影を振り返る特別映像を入手した。
1947年にも映画化されたノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を再映画化した本作。正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座にたどり着いた野心あふれる青年スタンは、そこで出会った読心術の達人から技を伝授され、ショービジネスの世界での成功を目指して大都会へと旅立つ。やがてトップのショーマンとして上流階級の人々から拍手喝采を浴びる日々を送ることになったスタンだったが、精神科医のリリス・リッターとの出会いによって運命の歯車が狂い始めることになる。
このたび解禁された映像のなかでは、アカデミー賞監督賞を受賞したデル・トロ監督や、アカデミー賞主演女優賞に輝くブランシェット、4度アカデミー賞にノミネートされたウィレム・デフォーらが互いへのリスペクトをのぞかせながら撮影を振り返っていくインタビュー映像が収録されている。『グッドナイト&グッドラック』(05)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたデヴィッド・ストラザーンが「ベテランばかりのキャストだ。風変わりな世界を表現できる人たち」と太鼓判を捺すように、本作には2人のオスカー俳優と6人のオスカー候補経験者を含む錚々たる顔ぶれが集結。
デル・トロ監督はそんな名優たちとの共同作業について「映画を交響曲に例えるなら、俳優は楽器。それぞれが違う表現力を持っている。異なる技術と真実と化学反応の集合体だよ」と自信たっぷり。またデフォーは「ギレルモは臨機応変。世の監督のなかには自分のアイデアに固執する人もいる。だが彼は人の意見を聞き、調整していく」と、ブランシェットも「ギレルモは各シーンの明確なイメージがある。だけど“僕は間違えることも好きなんだ”と、俳優の意見に耳を傾けてくれる」と、鬼才監督の撮影現場での一面を明かした。
また映像には、デル・トロ監督と役者陣が真剣な表情で話し合いを重ねながら撮影に臨む様子も収められている。誰も真似のできないようなデル・トロ監督の作家性がここぞとばかりに発揮され、第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ4部門にノミネートされている珠玉のサスペンススリラー。是非とも劇場で、贅を尽くした世界観を堪能してほしい。
文/久保田 和馬