スパイダーマンの宿敵の誕生秘話『モービウス』、“魔法ワールド”シリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、“スパイダーマンの宿敵”モービウス誕生のエピソードを描くアクション、ホグワーツの校長ダンブルドアの秘密に迫る人気シリーズ最新作、30歳の誕生日を機に人の心が読めるようになった男と同期によるラブコメディの、没入させられる3本!
“ヒーロー”や“ヴィラン”という枠を超え、心に響く一本『モービウス』(公開中)
スパイダーマンの宿敵として知られる人気キャラクターの誕生を描いたエンターテインメント作。血液の難病を患う天才医師モービアスは、コウモリのDNAを使った治療法を開発。自身を使った実験は成功したかに思えたが、強靱な肉体の代償に人の血を飲まなければ生きられない体になってしまう。「スパイダーマン」のヴィランといえば、グリーンゴブリンやドクター・オクトパス、リザードなど科学の誤用でダークサイドに墜ちた善良な天才たちが少なくない。病に苦しむ患者たちを救うため、禁断の研究に手を出すモービアスはその筆頭といえる。彼が命を削って研究に打ち込む姿を描いた“誕生パート”で心をつかみ、後半の超絶バトルになだれ込んでいくドラマチックな展開はおみごと。壮絶な減量で役に臨みオスカーに輝いた『ダラス・バイヤーズクラブ』(13)を彷彿とさせる、ジャレッド・レトの演技も見応えある。“ヒーロー”や“ヴィラン”という枠を超え、心に響く一本だ。(映画ライター・神武団四郎)
袂を分かちつつも、そう簡単には離れられない絆の深さ…『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(公開中)
エディ・レッドメイン演じるシャイでおっちょこちょいの魔法動物学者、ニュート・スキャマンダーの活躍を描く「ファンタスティック・ビースト」シリーズ。その第3弾となる本作では、勢力を拡大する黒い魔法使い、グリンデルバルドとの戦いが本格化し、“ダンブルドアの秘密”というタイトルにもあるように、「ハリー・ポッター」シリーズでも触れられたニュートの恩師、ダンブルドア先生の過去や彼が抱える葛藤にも切り込んでいく。ダンブルドアとグリンデルバルドがかつて志を同じくした間柄であることは以前にも語られていたが、その複雑な関係性を体現するジュード・ロウ(ダンブルドア役)とマッツ・ミケルセン(グリンデルバルド役)がとにかくすばらしい。いきなり2人だけの空間で宣戦布告をするシーンから始まり、その後も互いを意識する様子が何度も映しだされ、袂を分かちつつも、そう簡単には離れられない絆の深さに、観ている方も思わず心がソワソワさせられてしまう。そしてクライマックスには、かつてここまで美しい決闘シーンがあっただろうか?と思うほどの、この2人が対峙する魔法バトルも用意されている。今後のシリーズは、ダンブルドアとグリンデルバルドの関係や戦いが軸になると考えられ、ある意味、ここからが新たなスタートとも言えるだろう。いままでシリーズを観たことがなかった人も、本作を機に魔法ワールドの世界へ足を踏み入れてはいかがだろうか?(ライター・平尾嘉浩)
恋愛だけでなく人生そのものに前向きな気持ちにしてくれる…『チェリまほ THE MOVIE 〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』(公開中)
めちゃくちゃファンタジーなのに、ピュアな“人を好きになる気持ち”を真摯に丁寧に描いて視聴者の心を鷲掴みにした「チェリまほ」がついにスクリーンに!タイトル通り30歳になって触れた人の心が読めるようになった冴えないサラリーマンの安達(赤楚衛二)と、彼に思いを寄せるイケメン同期の黒沢(町田啓太)のドラマ版のその後が展開される。ラブ度がアップして好意を隠そうともせずグイグイ来る黒沢とふたりのいちゃいちゃぶりに、思うツボとわかりつつもまんまと萌えまくってしまう。しかし、単なるハッピードラマでないのが本シリーズのポイント。より親密になった彼らは、立場が逆転するかのように、愛のせいで黒沢が弱り、愛のために安達は強くなる。その姿は萌えるというより感動的だ。そして、そこまで目指すのか…!という領域まで歩みを進める彼らの姿は胸熱!恋愛だけでなく人生そのものに前向きな気持ちにしてくれる作品だ。(ライター・牧島史佳)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/サンクレイオ翼