千の顔を持つキム・テリ、「二十五、二十一」のナ・ヒドを演じられたのはナム・ジュヒョクのおかげ?

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千の顔を持つキム・テリ、「二十五、二十一」のナ・ヒドを演じられたのはナム・ジュヒョクのおかげ?

キム・テリの顔には喜怒哀楽という感情が全て盛り込まれている。時代の悲劇を抱いた顔も、将来の夢に悩んだり、初恋という名の熱病に浮かされたりする女子高生の顔も、彼女は完璧にこなしてしまう。ファンタジー映画でした見られなさそうな人物も、キム・テリの息吹が加われると、まるでどこかで会ったことのあるような日常的な人物に変わる。それがキム・テリという女優の持つ力である。

そんなキム・テリが今回は約3か月間Netflixにて配信された「二十五、二十一」のナ・ヒドに扮して、視聴者を楽しませた。「二十五、二十一」は1998年、時代に夢を奪われた若者たちの彷徨と成長を描いたドラマ。 22歳と18歳に出会って初めて互いの名前を呼び合った2人が、25歳を21歳になり、お互いを愛し合いながら成長していく。

【写真を見る】漫画が大好きな女子高生のナ・ヒド(キム・テリ)と、本のレンタルショップでアルバイトをしているペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、いつの間にかお互いに惹かれ合い始める。
【写真を見る】漫画が大好きな女子高生のナ・ヒド(キム・テリ)と、本のレンタルショップでアルバイトをしているペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、いつの間にかお互いに惹かれ合い始める。Netflix

フェンシング韓国代表を夢見るナ・ヒド役を務めたキム・テリは、"ナ・ヒド"というキャラクターが持つ魅力が「二十五、二十一」への出演を決めるきっかけになったと語る。

「シナリオを読んだ瞬間、“早くナ・ヒドになってみたい”と思いました。この作品のオファーが来た時は、ちょうど明るいエネルギーが溢れている時期でもあったので、早く演技してみたいという気持ちでいっぱいでした。心の奥底から溢れ出す愛を誰かに伝えたいタイミングに出会ったキャラクターです。」

素直で自由奔放なナ・ヒドを完璧に演じたキム・テリ
素直で自由奔放なナ・ヒドを完璧に演じたキム・テリtvN

キム・テリはナ・ヒドという人物を上手く表現するために、撮影現場で積極的に自分の意見を表明していた。特に、「ナ・ヒドは高校生だから、多分こうするだろう」「ナ・ヒドならこんなことはしないと思う」という風に、自分の演技に制約を課すようなことだけはしないように気にかけていたという。深く考えすぎるのは、ナ・ヒドに似合わないからだ。

「ナ・ヒド役を演じながら学んだのは、100%自由奔放な演技の楽しさです。そして、それが可愛く見えるということに気付きました。“このシーンではどんな顔をすればいいかな”とか、“いまの声のトーンはどんな感じなんだろう”みたいなことは一切考えずに、ありのままを表現するのが本当に楽しかったです」

キム・テリは、「ナム・ジュヒョクの"愛が溢れる眼差し"のおかげでナ・ヒドを愛しく演じることができた」と語っている。
キム・テリは、「ナム・ジュヒョクの"愛が溢れる眼差し"のおかげでナ・ヒドを愛しく演じることができた」と語っている。tvN


幼い頃から"フェンシングの天才"と呼ばれ、韓国代表になるナ・ヒドの人生をリアルに描くために、キム・テリは撮影が始まる5~6か月前から訓練に臨んだ。

「1日でも練習をしないとすごく不安を感じました。“いますぐフェンシング技術を磨いてコ・ユリム(ボナ扮)に勝てないと!”と思っていましたので。(笑)フェンシング関連動画もたくさん探して見ましたね。私のフェンシングコーチはみんな指導力も実力も優れている方々でしたので、おかげでとても楽しく練習させて頂きました。」

たくさんの人が「二十五、二十一」を見て、過ぎ去った自分の青春を思い出したり、現在の自分に投影しながら癒しと元気をもらった。いつもペク・イジン(ナム・ジュヒョク扮)とコ・ユリムなど、各自特有の事情を抱えて苦しんでいる周りの人たちを温かく慰めて、立ち直せる力を授けるナ・ヒドの姿が、視聴者にも勇気を与えていたのだ。そしてキム・テリ自身も、そんなナ・ヒドから慰められていた。

「台本を読んで何回も"ああー"という感嘆の声が漏れてしまいました。温かくて、胸にじんとくる台詞がとても多かったのです。ナ・ヒドを演じながらも、"こんなことを言ってくれて本当に嬉しい、ありがとう"とずっと思っていました。」

90年代に流行っていたファッションを着こなしたキャストたちの姿も「二十五、二十一」の見どころ。
90年代に流行っていたファッションを着こなしたキャストたちの姿も「二十五、二十一」の見どころ。tvN

キム・テリはナ・ヒドという人物がたくさんの人に愛された要因として、"ペク・イジンの眼差し"を挙げた。彼女は「ナム・ジュヒョクのペク・イジンがいなかったら、キム・テリのナ・ヒドもいなかった」と、感謝を表した。

「ナ・ヒドの素直で自由奔放すぎる姿が、視聴者の目にはひょっとしたら"ちょっとやりすぎだな"という風に映るかも知れないんじゃないですか。でもペク・イジンはいつも"なんて面白い子なんだ"という、愛のこもった眼差しでナ・ヒドを見てくれるのです。その眼差しがあったからこそ、ナ・ヒドになりきることができました」

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