オスカー・アイザック&イーサン・ホークが明かす、MCU初参戦「ムーンナイト」での“チャレンジ”とは

インタビュー

オスカー・アイザック&イーサン・ホークが明かす、MCU初参戦「ムーンナイト」での“チャレンジ”とは

マーベル・スタジオが贈るドラマシリーズ「ムーンナイト」(Disney+にて配信中)。3月30日に日米同時配信がスタートし、全6話中、本日配信されたばかりの第3話までが公開されている。MOVIE WALKER PRESSは、“複数の人格”が混在するMCU史上もっともミステリアスな闇のヒーローの活躍を描く本作で、主人公のスティーヴン・グラント/ムーンナイト役を演じるオスカー・アイザック、ヴィランのアーサー・ハロウ役を演じたイーサン・ホークのインタビューを独占入手!後半戦の配信を前に、2人が明かしたMCU作品に初参戦を果たすこととなった過程や、撮影で感じた手ごたえ、今後の展開のヒントになるかもしれないテーマ性についても紹介していく。

【写真を見る】「ムーンナイト」第2話には“Mr.ナイト”も登場!こじゃれた“スーツ”で戦いに挑む
【写真を見る】「ムーンナイト」第2話には“Mr.ナイト”も登場!こじゃれた“スーツ”で戦いに挑む[c]2022 Marvel

アイザックは撮影に臨むにあたり、MCU作品でトニー・スターク/アイアンマン役を演じてきたロバート・ダウニー・Jr.に助言を求めたという。「彼とはかなり長い時間話をしました。MCUで仕事をするということ、ケヴィン・ファイギと一緒に仕事をするのはどのような経験だったのかと。すると彼からは『MCUに参加するのはとてもすばらしいことだと思う』と後押しになるような言葉をもらいました」。そしてアイザックは、原作のムーンナイトが様々なヒーローを脳内に作りだしていることを例にとり、「MCUではどんなことも可能なんだ」と、新たな挑戦への期待と高揚感を語った。

マーベルの新ヒーロー「ムーンナイト」に、オスカー・アイザックも手応え充分だった様子
マーベルの新ヒーロー「ムーンナイト」に、オスカー・アイザックも手応え充分だった様子[c]2022 Marvel

物語の主人公は国立博物館のギフトショップで働く穏やかな男スティーヴン・グラント。夜通し悪夢にうなされ、時に身に覚えのない記憶が蘇るなど怯える日々を過ごしていた彼は、ある日自分のなかに“もう一人の自分”が潜んでいることに気付き始める。それはスティーヴンとは対照的に残虐性に満ちた男マーク・スペクター。マークに“ある力”が宿る時、彼はムーンナイトへと変身する。

「スター・ウォーズ」シリーズのポー・ダメロン役で注目を浴びたアイザックは、『X-MEN:アポカリプス』(16)ではエン・サバ・ヌール/アポカリプス役を、『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)では主人公の父レト・アトレイデス役を演じるなど、大作映画への出演が相次いでいる。「僕がこの作品に臨むうえで興味があったのは、“クリエイティビティを持ち込む余地があるのか?”、“なにか興味深いことをする余地はあるのか?”。そして“これまでにやったことがないことをできる余地はあるのか?”ということでした」と明かし、「結果的に忘れがたい独自のキャラクターを作り出すことができました」と満足そうな様子。

その凶暴な性格に“ある力”が宿るとき、ムーンナイトという闇のヒーローが誕生
その凶暴な性格に“ある力”が宿るとき、ムーンナイトという闇のヒーローが誕生[c]2022 Marvel

穏やかな性格のスティーヴンと、残虐で凶暴なマーク。すでに第1話から、その正反対の2つの人格を見事に演じ分けているアイザックだが、「いくつものキャラクターを演じることはものすごくチャレンジなこと。体型から話し方、服装や感じ方までそれぞれの違いや特性を理解しながら対照的に演じる必要がありました」と、8か月に及んだ撮影を振り返る。「なかでも最大のチャレンジだったのは、両者の間で入れ替わるシーン。撮影が進むにつれて、よりスムーズにそれができるようになりました」と自信をのぞかせた。

一方でヴィランのアーサー・ハロウ役を演じたイーサン・ホークも、本作に臨むうえでの“チャレンジ”を振り返る。「僕は完成した脚本がない状態からこの作品に関わりました。俳優としての事前準備はできなかったけれど、ストーリーの制作に関わることができました。自由に作品を作ることは刺激的だったけれど、同時にとても恐ろしくもあった。それでも、僕が演じることができる、演じたいと思うキャラクターを見つけることは非常に楽しいものでした」。


ムーンナイトの前に立ちはだかる非常なヴィラン、アーサー・ハロウ
ムーンナイトの前に立ちはだかる非常なヴィラン、アーサー・ハロウ[c]2022 Marvel

ホークもアイザックと同様、これがMCU作品への初参戦。「まったく新しい世界で新たなヒーローに出会える。ドラマのあらゆる部分に二面性があり、これまでの常識を大きく覆す」と本作の魅力を語ったホークは、自身の演じたハロウという役柄について「彼は自分のことを悟りを開いた魂のように考え、世界から痛みを取り除くことが善良な行為だと思っている。でも人々にとってはその痛みを持つことが生きるうえで必要なことで、それを見逃してしまう過ちを犯している」と解説。そして「僕はそんなハロウを正直に演じました。彼が自分自身を善だと信じているように」と振り返った。

さらにホークは「この物語は、いかに問題を抱えた人が完全になれるかについて描いたもの」であると、本作の持つテーマ性について、そしてそれが現代社会に通じていることを語る。「自分自身のすべての面を受け入れたら、いかに力強くなれるか。それはつまり、僕たちの影の部分を理解すること。それを表に出す正しい居場所を見つけるということでもある。自分のなかにある様々な面の間でバランスを見つけることが、いまの僕たちが探し求めているものだと思います。この闇のヒーローの物語は、自身を受け入れ、自身のまったく異なるすべての要素を受け入れる姿が描かれているのです」。

構成・文/久保田 和馬

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