岡田健史、W主演の阿部サダヲにおねだり「お家に行きたいです!」
阿部サダヲ、岡田健史W主演映画『死刑にいたる病』(5月6日公開)の完成披露試写会が12日、イイノホールにて開催され、阿部、岡田と共に、岩田剛典、中山美穂、宮崎優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、音尾琢真、白石和彌監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。
W主演を務める阿部と岡田は、本作が初共演。岡田は取材などを受けるなどするなかで、もっと阿部のことを知りたくなったようで、「阿部さんのお家に行きたいです。阿部さんがどんな生活をし、どんな役作りをし、どんなものを食べているのか知りたいと思ったんですけど…おかしいですかね?」と阿部の顔を覗き込む。役に入りきっているという阿部が「実際に家に来たら殺しますね」と殺人鬼役らしいコメントを返すと、「ぜひ、よろしくお願いします」と丁寧にお辞儀をする岡田。奇妙なやりとりだが、ステージ上も会場も、なぜかほっこりムードに包まれた。
阿部とは1日だけの共演だったという岩田は「みなさん、映画のポスターをご覧になったと思うのですが…。現場の阿部さんはまさに、あの目をしていました。光の宿っていない目で、本当に殺されると思いました」と撮影を振り返りながら、「いまは気さくな感じで、白いスーツがよく似合っていますけれど…」と笑顔で阿部の全身を見つめながら、現場との印象の違いを説明していた。
中山も阿部が演じた二面性の役柄にはかなり衝撃を受けた様子。「とても爽やかな感じでCMなどにも出演していますが、映画を観たお客さんが困惑しないか心配です」とコメント。苦笑いを浮かべた阿部は「あくまで、映画のなかの役ですから。そこは分かっていただかないと」と中山、そして、観客に向けても「お願いします!」と言わんばかりに、頭を下げていた。
白石作品の常連俳優の音尾は、なんと本作が11作目の参加となる。「白石監督が作品を作ると、もれなくおまけでついてくる存在です」と自身の立ち位置を説明し、笑いを誘った音尾。作品に呼ばれる秘訣を「毎年、お歳暮を贈っているからこそです。気持ちは形にすべきです。今年も贈ります!」と明かし、次回作への出演もおねだりし、笑いを誘っていた。
自身も監督として活躍する鈴木は「自由に演技をさせてもらいました」と満足の様子。役者としてとても幸せな現場だったといい、「僕もお歳暮を贈るので、また役者として出演させてください!」とアピールしていた。
共演者の二面性について質問された阿部は「中山さんはギャップがないです。いつでも中山美穂さんです。ずっと中山美穂さんです。本当に素敵な方ですよね」とまじまじと見つめ、「アクリル板さえなければそっちへ行きたいくらいです」としょんぼり。続けて「二面性なさそうですよね?」と中山本人に確認すると「掘れば多面性を持っているほうだと思います」という想定外の回答が。中山の回答におどろきつつも、すかさず「掘っていいですか?」と確かめる阿部に「もう、時間がないので」とバッサリと返した中山が、MCから「時間を気にしていただいてありがとうございます!」と仕切りに感謝される場面もあった。
白石監督は本作について「ジャンルはちょっと怖いスリラーサスペンス」と説明。さらに「映画のなかの会話をよく聞いていると“おや?”と思うところがあります。そんな仕掛けを入れた作品なので、一つ一つのセリフを噛み締めてください」と本作の楽しみ方をアピールしていた。
現場には各部署にインターンが参加していたことに触れた岡田。制作スタッフがインターンにチャレンジの機会を与えていた現場を目撃し「生き方について、教えられた気がします。この現場で得た経験、教訓をこの身に宿して生きていきたいと思います」と語っていた。阿部は「怖い話ではありますが、映画として観るのとすごく楽しい作品です。9人目を殺害した犯人がいったい誰なのかを想像しながら観てください」と呼びかけ、さらに「帰ったら、大和という人から手紙が届いているかもしれません。そういう怖さもある作品です」と自身が演じた連続殺人鬼の榛村大和と映画の内容に触れ、観客の恐怖を煽り、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ
※宮崎優の「崎」は、たつさきが正式表記。