阿部寛×北村匠海で家族の絆描く『とんび』、高木刑事&佐藤刑事に”死神”が近づく『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、重松清の傑作を瀬々敬久が映画化した感動のヒューマンドラマ、新郎新婦姿の高木刑事と佐藤刑事に危機が迫る人気シリーズ最新作、井浦新と成田凌の主演で、”あるもの”を探し旅に出る男2人の姿を描いた異色のロードムービーの、個性豊かな3本!
人間関係が希薄な現代だからこそ胸に響く感動作…『とんび』(公開中)
直木賞作家、重松清の同名小説を、阿部寛と北村匠海の共演で初の実写映画化!酒飲みで喧嘩っ早いヤス(阿部)と、そんな父親の世話を焼きながら成長していく息子アキラ(北村)の絆の物語を昭和と平成以降のシーンを交錯させながら描きだす本作は、人間関係が希薄な現代だからこそ胸に響く感動作だ。完璧に再現された昭和37年の瀬戸内の街で、エネルギッシュに生きている人々。そんな彼らの姿が眩しいが、『糸』(20)などの瀬々敬久監督はその人間模様を決して“あの時代はよかった”という懐古趣味的に描くのではなく、新たなエピソードを加えてアキラや彼の子どもたちの未来へとつながる物語にアップデートさせているのが素晴らしい。しかも、薬師丸ひろ子、杏、大島優子、麿赤兒、麻生久美子ら贅沢過ぎるキャストがそれぞれの持ち味を全開させて映画をよりドラマチックなものに。なかでも個人的なお気に入りは、安田顕が演じたヤスの幼馴染みの僧侶、照雲。あのコテコテのキャラは美味し過ぎるけど、チャーミングだし、最高だ!!(ライター・イソガイマサト)
同期たちの知られざる活躍に胸が熱くなる…『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(公開中)
待望の劇場版シリーズ第25作で描かれるのは因縁の爆弾魔プラーミャによる凶悪犯罪。驚愕の手口と規模で展開する爆発計画に、渋谷の街は大パニックに。事件のカギを握るのはシリーズきっての人気キャラである安室透(=降谷零)と、警察学校の同期たち。いまは安室を除き全員が殉職しているが、かつての事件でプラーミャと対峙していたことから、本作では生前の彼らにスポットが当たる。同期たちの知られざる活躍に胸を熱くするファンも多いのでは?ゲスト声優の白石麻衣は外国組織のリーダーという難役を担当。外国語で激しい感情をぶつけるシーンは鳥肌モノの名演!(映画ライター・ほそいちえ)
途中の悪夢のような体験も、唖然としつつ素直に面白い…『ニワトリ☆フェニックス』(公開中)
前作『ニワトリ★スター』(18)から4年。スタッフキャストが再結集し、前作から一部設定を引き継ぎつつ、新たな設定や人間関係を加えて、主人公の草太(井浦新)と楽人(成田凌)の新たな物語が幕を開ける!裏社会から抜けだせず鬱屈を抱える楽人は草太を誘い、“火の鳥”探しの旅に出る。途中、花魁道中や城に住むSM女王、妖怪バーなど、奇天烈な人々に巡り逢いながら、はたして2人の旅はいつまで続くのか?そして途中で何度も挿入される謎の花嫁は誰なのか?アパートを舞台にバイオレンスとエロ描写が炸裂した前作から一転、開放感に満ちた世界観へ。途中の悪夢のような体験も、唖然としつつ素直に笑える。草太と楽人のいい加減っぽさも心地よいし、伸びやかな伊勢志摩の美しい風景にも目が喜ぶ。上手いのは、互いに抱える秘密がいい伏線となり、ラストに訪れる“予想外の展開2連発”へと導いていく、“驚きと感動”の作り方。前作のエログロ描写に怯んだ方にも、未見の方にもおススメしたい青春ロードムービー。全俳優が、嬉々として演じていると感じられるのも乙!(映画ライター・折田千鶴子)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/サンクレイオ翼