CLAMP×蜷川実花で贈るファンタジー『ホリック xxxHOLiC』、ジェニファー・ロペス主演『マリー・ミー』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、CLAMP原作の人気コミックを蜷川実花が実写化するファンタジー、ジェニファー・ロペス×オーウェン・ウィルソンによるロマンスコメディ、ジュード・ロウとキャリー・クーンが“理想の夫婦”となるスリラーの、ドキドキさせられる3本!
キャスティングを知らなければ首を傾げてしまうぐらいの怪演…『ホリック xxxHOLiC』(公開中)
人気創作集団「CLAMP」の大ヒットコミックを、写真家で『ヘルタースケルター』(12)などの監督作品でも知られる蜷川実花が実写映画化!人の心の闇に寄り憑く“あやかし”が視えてしまう孤独な高校生、四月一日君尋(神木隆之介)は、“あやかし”を視ない普通の生活を手に入れるために不思議な“ミセ”を訪れ、妖しく美しい女主人の侑子(柴咲コウ)から願いを叶える代わりに“いちばん大切なもの”を差しだすように言われるが…。四月一日が悩みを抱えた人々と出会い、ミステリアスな事件に巻き込まれながら“大切なもの”を見つけていく姿を描いた本作は、極彩色の蜷川ワールドで、異端のキャラになりきった演技派俳優たちが踊り狂う幻惑ファンタジー。“あやかし”を操る女郎蜘蛛役の吉岡里帆や彼女を崇拝するアカグモ役の磯村勇斗は、キャスティングを知らなければ「えっ、これ、誰?」って首を傾げてしまうぐらいの怪演!!SixTONESの松村北斗が、超低音ボイス&胸を露にしたセクシャルな肢体で四月一日の右腕とも言える弓の使い手の百目鬼静をクールに体現しているのも見逃せない。(ライター・イソガイマサト)
王道の恋物語にほっこりさせられる…『マリー・ミー』(公開中)
『ハスラーズ』(20)を大ヒットさせたジェニファー・ロペスが主演&製作を務めたロマンティック・コメディ。世界的歌姫のキャット(ロペス)は、大観衆が見守る結婚式の数秒前に婚約者バスティアン(マルーマ)の浮気を知り、とっさに会場にいた数学教師チャーリー(オーウェン・ウィルソン)にプロポーズしてしまう。人気ポップスターとして公私なくメディアにさらして生きる難しさ、有名人との破局、自分本来の姿を見てくれる相手との運命的な出会いなど、まるでロペスのあて書きかと思われるようなテーマがテンコ盛りの本作だが、原作はボビー・クロスビーによるグラフィックノベル。同業者であるバスティアン(マルーマ)と穏やかな世界で暮らすチャーリーとの間で揺れる女心や、“逢いたい想い”に導かれピンヒール&タイトスカートを物ともせずに突き進む純愛っぷりなど、王道の恋物語にほっこりさせられる。加えてロペスの実際のライブを彷彿とさせる圧巻のステージパフォーマンスや、彼女が本作のために提供した9曲のオリジナル曲も絶品!音楽映画としても楽しんで欲しい。 (ライター・足立美由紀)
クライマックスのたった一晩の描写がなんともスリリング…『不都合な理想の夫婦』(公開中)
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(公開中)ではマッツ・ミケルセンとの色気対決が匂い立つようだったジュード・ロウ。本作のオープニングでも大人の余裕を感じさせる立ち居振る舞いがなんとも魅惑的。ニューヨークで貿易商を営む英国人のローリー(ロウ)は米国人の妻アリソン(キャリー・クーン)と息子と娘と幸せに暮らしていた。理想的な夫で父。まさにアメリカンドリームを手にした男。だが、ローリーは成功者らしく攻めの姿勢を崩さず、渋る家族を説得し、好景気に沸くロンドンへの移住を決意する。家族のために用意したのは大豪邸。広大な敷地には妻の趣味のための馬小屋まで建設中。息子を名門校へ入れ、意気揚々だったが、ある日、妻は小屋の工事が滞っていることに気づく。次々と明らかになる事実。場面が変わるたびにとめどなく剥がれていくローリーの化けの皮。いったい、この男は何者なのか。薄々、感じてはいたが、気づかぬふりをして過ごしていた妻に降りかかる災難。そして思春期の娘、息子たちの親も知らない素顔。夫婦とは?家族とは?クライマックスのたった一晩の描写がなんともスリリング。(映画ライター・高山亜紀)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/サンクレイオ翼