広瀬すず&松坂桃李『流浪の月』、横浜流星の“幻の激昂シーン”でサプライズ「ゴミ箱にプレゼント」
2020年本屋大賞を受賞した作家、凪良ゆう氏による傑作小説を原作にした映画『流浪の月』が、5月13日ついに全国公開。同日には都内劇場で主演の広瀬すず、松坂桃李、共演の横浜流星、多部未華子、内田也哉子、そして李相日監督が舞台挨拶を行った。
舞台挨拶後半に、安西梨花役の増田光桜が広瀬&松坂へのかわいらしい花束を持ってサプライズ登場。増田と言えば、朝ドラ「なつぞら」で広瀬と親子役で共演している。広瀬は増田のことを「そうなんです、娘なんです!」と喜色満面で紹介し、「李組で再共演させてもらえたことがものすごくうれしくて、勝手に遠いお母さんのような気持ちが離れず、監督と横に並んでいる姿に感動して泣きそうになりました。距離が近いまま、今回もその延長でお芝居ができて幸せでした」とにっこり。
一方、増田は松坂から「もうすばらしかった。幸せをありがとうという感じ!」と共演シーンでの雰囲気を感謝されると「演技中に松坂さんの声が心にジワーと響いて、松坂さんってすごいなあ、すてきだなあと思った」と心をくすぐるコメントを聞かせて、松坂を「いまの感想が心にジワーと響いていますう!」とすっかりメロメロにしていた。
役作りのために体重を落として撮影に臨んだという松坂。「情報解禁前だったので周囲になぜ痩せているのかを言うにいえなくて…。『激やせ!なにがあったのか?』とは言われていたようだけれど、そのうちにわかるだろうという感覚でいました」と思い出し笑い。恋人役の多部は、松坂との距離を縮めるために、李監督から「桃李君を触っていいよ」と言われたそうで「撮影の空き時間にずっと触らせていただいて。ウエストがゾっとするくらい細くて、この日にいたるまでいろいろな想いでここに立たれているんだと触りながら感じました。私も頑張らなければ!と思わせてくれる人柄と体形でした」とジョーク交じりに労っていた。
広瀬も監督の指示のもとスリムなシルエットを体現したのだが、撮影中は「エネルギーを使うので、いっぱい食べていました。トレーナーの方が食事管理をしてくださったので、お昼はマネージャーさんと焼き肉に行ったりして」と回想。これに松坂が「(広瀬は)焼き肉とか食べて、ラーメンもすすっているし…本当にうらやましい」とつぶやくと、広瀬は「(松坂を)間違って一度食事に誘ってしまったことがあって。その時に桃李さんは『僕は明日まで我慢します…』と言われていた」と申し訳なさそうに振り返っていた。
撮影中には横浜へのサプライズバースデーも行われたという。怒りに任せてゴミ箱をぶちまけるシーンが急遽追加されたと聞かされた横浜だが、「そのゴミ箱の中に誕生日プレゼントが入っていて…。え?と。うれしいけれど、このワンシーンは実際には追加されないんだとわかって、不思議な気持ちになりました」と苦笑い。このサプライズを事前に知っていた松坂は「役として激昂して入ってきて、その流れのなかでゴミ箱の中にプレゼントがあり、自分の誕生日に気づくという…。怒りからの喜びに行くまでのストロークはすさまじかったはず」と横浜の心中を慮ると、広瀬も「(横浜は)監督の前でウソをつく演技はしてはいけないと、部屋の奥で『ふ~!』とか気合いを入れていました。私は笑いをこらえることに必死でした」と横浜へのドッキリに思い出し笑いだった。
取材・文/石井隼人