阿部寛と瀬々敬久監督、『とんび』観客動員数1位の岡山に凱旋!「皆さんと作った映画」
重松清の人気小説を、阿部寛や北村匠海を迎えて映画化した感動作『とんび』(公開中)。本作の撮影地である岡山で、ロングランヒットを記録しているということで、5月15日に主演の阿部寛と瀬々敬久監督を迎えた凱旋舞台挨拶がMOVIX倉敷で開催された。阿部は「撮影は、この辺り(倉敷)でも行っていたので、今日皆さんにお会いして、とても親しみを感じています」と挨拶。
続けて阿部は「ご近所さんのような感覚で…今日は久々に帰ってきました。皆さんと共に作った映画だと思っていますので、これからも応援よろしくお願い致します」と笑顔を見せた。瀬々監督も「この映画館が(観客動員数が)全国1位です!本当に感謝しています。何度でも楽しめる映画だと思いますので、ぜひこれからもよろしくお願い致します」と岡山への凱旋の喜びを語った。
そして、イベントでは観客とのティーチンも実施。3回、5回とそれぞれ本作をリピート鑑賞したという夫婦からは「銭湯に入るシーンで『テルマエ・ロマエ』が頭をよぎりました」という感想を述べられると、阿部は「それは思っちゃいけませんね。なるべくそうならないように頑張りました」と苦笑い。
続いて阿部から「逆に質問いいですか?3回と5回観られたとのことなんですけど、どのシーンがよかったですか?1か所じゃなくていいですよ」と逆質問。妻は「いっぱいあるんですけど、アキラ君(北村匠海)と一緒に自転車に乗っているシーンが好きです」、夫は「家族が出てきて遺品整理をしているところです」と夫婦そろって感動したポイントを答えると、阿部は「本当にありがとうございます」とうれしそうに語った。
さらに、撮影の合間に岡山で観光した場所や食べたものについて聞かれると、阿部は「(観光は)してないです。撮影でいろいろなところに行けて、そこで幸せなくらい親切にいろいろなものをいただいてお腹いっぱいになりました。コロナ禍だったので、あまり外には出ないようにしたのですが、改めてマスクなしでいろいろなところに行きたいなという想いが非常にあります」とコメント。
瀬々監督は「ロケでいろいろなところに行きました。映画を観ると、この近くのいろいろなところが映っているので、ぜひ確認してみてください」と撮影を振り返った。
そして質問者から「先程銭湯の話が出たんですけれど、トレーニングなどはされているんですか」という質問に対して、阿部は「この前に出演したテレビドラマの作品では相当鍛えたんですけど、この作品ではしてないです」とおちゃめにコメント。また「家族によく阿部さんに似ていると言われるんですけど…」という告白をされると「けっこう僕に似てる人、いるんですよ」と答えて、笑いを誘った。
また、岡山は「晴れの国」と呼ばれるほど天候が良く、美しい町並みや風景が多いことから、岡山を映画聖地“ハレウッド”と題して、映画撮影の誘致等を盛り上げる施策を行っている。その一環として、日本遺産にも認定されている国指定の伝統工芸・備前焼で、映画人の手形を刻むという企画がスタート。阿部と瀬々監督がその手形第一号として、舞台上で手形を取った。この備前焼手形は高音で焼き上げられ、後日完成したものが展示される予定だ。
最後に瀬々監督は「この作品は一昨年の12月から1か月間撮影しました。撮影時は水島地区のホテルに宿泊したので、ここからも近いところです。倉敷が出発点であり、今日また戻ってこれたことは感無量です。この映画は人生のけりをつけるような映画だと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!」と熱い思いをアピール。
阿部も「そんな作品に参加できたことは、本当に感無量です。公開から1か月以上が経っているのに、これだけ多くの方が来てくださって、今日また岡山の皆さんとお会いできたことが本当にうれしいです。この作品は過去2度映像化された名作ですが、僕たち出演者スタッフが全身全霊を込めて作りました。また、応援よろしくお願いいたします」と感謝した。
文/山崎伸子