可能な限り大きいスクリーンで楽しみたい『トップガン マーヴェリック』、アクションに引き込まれる『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、36年ぶりの新作となるトム・クルーズ主演のスカイアクション、気鋭のキャストが集結して贈るシリーズ最終章の前編、湯浅政明×野木亜紀子×松本大洋で描く“平家物語”の異聞となるミュージカルアニメと迫力満点の3本。
彼らの間に葛藤のドラマが生じる…『トップガン マーヴェリック』(公開中)
トム・クルーズの世界的出世作の続編が、36年の時を経て登場!36年前の若き天才戦闘機パイロット、マーヴェリックもいまや初老。そんな彼が、若きトップガン候補生を率いて最難関のミッションに挑む。候補生の中にはマーヴェリックの亡き戦友グースの遺児もおり、彼らの間に葛藤のドラマが生じる。一方で、昔の恋に決着をつけようとするマーヴェリックのロマンスも描かれ、エモさは急上昇。そしてもちろん、ド迫力のドックファイト!役者を実際にコックピットに乗せ、CGを極力排除してライブ感を重視。縦横無尽のカメラワークは的確に機体の動きをとらえ、大いに興奮させてくれる。可能な限り、大きいスクリーンで体感せよ!(ライター・有馬楽)
アクションを通して伝えてくる新田の凄みに引き込まれる…『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』(公開中)
完結編二部作の前編。原作の人気キャラクター、スカー(新田真剣佑)がついに登場。冒頭で描かれるスカーvs銀の錬金術師の戦いは、スカーが憎しみにあふれる復讐者であることがしっかりと伝わってくる。と同時にエド(山田涼介)たちに立ちはだかる敵の圧倒的強さを目の当たりにし、この後繰り広げられるメインバトルへの期待が高まる場面でもある。新田が作り上げた筋肉の質感を含めたビジュアル、アクションの素晴らしさは言うまでもない。それ以上にスカーに宿る怒りや悲しみを、アクションを通して伝えてくる新田の凄みに引き込まれる。壮大な物語をぎゅっと凝縮した完結編だけに、名シーンの数々がダイジェストのように登場。「次はどのシーンが来る?」と終始ワクワクして楽しめる。(ライター・タナカシノブ)
スペクタクル満点のステージはスクリーンで観るべき…『犬王』(公開中)
女王蜂のアヴちゃん演じる犬王と、森山未來演じる友魚のコントラストが美しい作品だった。ともに平家に因縁を持ち、片や生まれつき異形、片や盲人という二人が音楽を通じ惹かれあい、唯一無二のバディとして京都の民衆を熱狂に誘っていく。相通ずるバックグラウンドと情熱を秘めているが、無邪気な犬王とクールな友魚とで対照性を見せている点は、ロックバンドのフロントマンとリードギターのような異なる立ち回り。また、1970、1980年代のハードロックを基調とした音楽に仕立て、幻の能楽師、犬王を想像力豊かに具現化させている点も面白い。ジミ・ヘンドリクスの「Purple Haze」のように孤高である友魚の音楽は、犬王が登場に従いオペラ×ロックのイリュージョンを起こす。「We Will Rock You」や「Bohemian Rhapsody」を翻案したようなスペクタクル満点のステージはスクリーンで観るべきものである。(ライター・鈴木レイヤ)
映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。
構成/サンクレイオ翼