長谷川博己&綾瀬はるか、リトグリの生歌に感激!「泣きそうになった」
ノンフィクション作家、高橋秀実の同名エッセーを映画化した『はい、泳げません』の公開記念舞台挨拶が6月11日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、長谷川博己、綾瀬はるか、渡辺謙作監督が登壇。主題歌を担当したLittle Glee Monster(かれん、MAYU、アサヒ)が駆けつけて生歌を披露する場面もあり、長谷川と綾瀬が感激の想いを語った。
泳げない男と泳ぐことしかできない女の、希望と再生を描いた本作。水に顔をつけることもできないほどのカナヅチなのに、頭でっかちな言い訳ばかりするカタブツな大学教授の小鳥遊雄司役を長谷川。彼に水泳を教えるコーチ、薄原静香役を綾瀬が演じている。
Little Glee Monsterは、「magic!」「生きなくちゃ」の2曲を主題歌として提供した。この日は御徒町凧が作詞、森山直太朗が作曲を手がけた「生きなくちゃ」の特別バージョンを生披露することになった。司会から「綾瀬さんも、主題歌を生で聴かれるのは初めてではないですか?」と話を向けられると、自分への質問なのかと迷った綾瀬が「私?ピロちゃん?」と愛称で長谷川を呼び、周囲も笑顔に。長谷川は「ピロちゃん、初めてです。楽しみです」と茶目っ気たっぷりに応じていた。
Little Glee Monsterの3人が透明感と力強さのある歌声を響かせると、長谷川や綾瀬、渡辺監督も感激しきり。歌が終わると盛大な拍手が沸き起こり、綾瀬は「鳥肌が立った。一気に、瞬間で世界観に引っ込まれ…引き抜いて…じゃないですね、引き入れていただいて本当に感動しました」と言い間違いを交えつつ、「すばらしい、きれいな歌声。ありがとうございます」とコメント。長谷川も「いやあ、感動しました」としみじみ。「最初に3人でハモられたときに、ググッと泣きそうになっちゃって。いかん、いかんと思って」と明かしながら、「癒されます。これを聴けたことが、今日は一番の幸せです」と感激をあふれさせていた。
Little Glee Monsterのかれんは「すごくドキドキしていたんですが、お三方が見守ってくださっているのが伝わってきたので、歌えてうれしかった」、MAYUも「皆さん、映画の余韻に浸っているところ。そのなかで歌えたのが、うれしかった。歌い出しだったので、すごく緊張しました」、アサヒも「舞台挨拶のステージで歌う機会はなかなかないので、緊張してしまっていた。映画を観た後に『生きなくちゃ』がより染みたらいいなと思いながら歌わせていただきました」と緊張の想いと共に、心を込めて歌ったことを語っていた。
かつて綾瀬が主演をつとめたNHK大河ドラマ「八重の桜」で夫婦役として共演した長谷川と綾瀬が、約8年ぶりに共演を果たしたことでも話題の本作。劇中では2人が水中で抱き合うシーンもあるが、長谷川は「とにかく潜っていなければいけない。潜るためには、息を吐きださないと潜れないんです。2人で“いっせーのせ”でフーッと吐いて、それから潜る。そんなにずっと潜ってもいられないので、大変でしたよね」と苦笑い。綾瀬は「腰に重りをつけていました。絶対に浮いてきちゃうので」と秘話を公開すると、長谷川も「いろいろなことが気持ちにありながら演じていました」と苦労を口にしていた。
長谷川にとって本作は、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」主演以降、初の主演作品となった。長谷川は「映画の現場に入ったのはすごく久しぶり」と口火を切り、「大変な現場でしたが、映画作りってこうしてやっていかなきゃいけないんだなと思った。スタッフそれぞれの意志がギュッと詰まって作っていく。泳げないけれど、泳ごうとしている小鳥遊雄司と、映画作りとが重なった。やってよかったなとすごく思っています。前向きになれる作品に仕上がった」と自身にとっても特別な作品になったことを明かしていた。
取材・文/成田おり枝