田村淳、安彦良和監督のお墨付きに決意表明!「ガンダムを知らない人たちに広めていきたいです」
ガンダムの原点「機動戦士ガンダム」第15話「ククルス・ドアンの島」を映画化したシリーズ最新作『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(公開中)の大ヒットを記念したスペシャルトークイベントが20日、新宿ピカデリーにて開催され、本作のCMにも出演したロンドンブーツ1号2号の田村淳、ガンダム芸人の若井おさむが、安彦良和監督、プロデューサーの福嶋大策、総作画監督とキャラクターデザインを務めた田村篤と共に登壇し、何度も観たくなる本作の見どころを語り尽くした。
田村はこれまでガンダム好きを強く公言してこなかったことに触れ、CM出演をきっかけに「本当に好きなの?」と訊かれる機会が増えたと告白。自身のTwitterに様々なコメントが寄せられるとし、会場を見渡しながら「もし、会場のなかに僕に言いたいことがある方は、あとでゆっくり1対1でガンダムについて話し合いましょう!」と呼びかけ、冒頭から大きな拍手を浴びていた。
本作の感想について「『ファーストガンダム』の魅力がぎゅっと凝縮され、詰まった作品。わかりやすくて、ガンダム好きはもちろん、ガンダムをあまり知らない人でも楽しめる」と語った田村。制作陣も認めてくれたこのコメントをCMでも語ったが、「お前にガンダムのなにがわかる?という書き込みが多くて…」と苦笑い。本作は、人間の気持ちに寄り添った映画になっていること、「感情の揺れ動きのあるアニメ」と見どころを熱弁していた。
若井は「モビルスーツ(以下、MS)がかっこいい!」と大絶賛。CGになることで“メカメカ”した感じにしがると思いきや「人間のような動きになった」と満足の表情を浮かべ、MS同士の戦いは手に汗握るとコメント。さらにテレビシリーズの時には感じなかったドアンという男の“深さ”に触れ、「ドアンの過去を知りたくなりました」と目を輝かせた。
公開から2週間経った本作は、43万人の動員、興行収入は8.5億円を記録している。興行収入10億円突破が見えてきたことについて安彦監督は「『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を超えるとか、『トップガン マーヴェリック』を撃ち落としてこそ、 大ヒットと言える。この数字でお客さんの前に“大ヒット挨拶”といったイベントに出るのは恥ずかしいと伝えました」とニヤニヤ。それでもこの日イベントに参加した理由は、「プロの芸人さんが登壇すると聞いて、傍にいればいい。きっと皆さんが盛り上げてくれるだろうという気持ちでした(笑)」と話し、会場の笑いを誘っていた。とはいえ、大ヒットと言われることは「うれしい」と微笑み、「皆さんの力で本当の大ヒットに近づけてください!」と呼びかけていた。
本作を3回以上観たというリピーターが約8割かけつけた本イベント。リピート鑑賞での注目ポイントについて田村は「ブライトの管理職としての苦悩と優しさが見えるところ」だとし、ミライがブライトにコーヒーを持ってくるシーンをおすすめ。大人になったいま、「アムロ目線じゃないところで(物語を)追いたい」と語っていた。若井は「登場人物の表情」に言及。「セイラが島の子どもたちをおんぶしているときのキッカの顔を観てほしいです」とコメントすると、安彦監督は「まさか、あのシーンでキッカの表情が観られているとは…。油断も隙もない」と笑いが止まらない様子だった。
安彦監督は田村が出演したCMを観ていないと明かすも、この日その内容を田村本人から聞いたことにより「いいCMだったのだと思います」とニッコリ。ファーストガンダムのいいところをぎゅっと凝縮し、ガンダムファンもガンダムを知らない方でも楽しむことができるという感想に、まさにその通りと語る場面も。安彦監督のこの言葉に、田村は「皆さん、聞きましたか? これで安彦監督のお墨付きです」と胸を張り、これからはガンダムにあまり触れたことのない人たちに広めていくために尽力していくことを誓っていた。
最後の挨拶で安彦監督は「『鬼滅の刃』を超えようとしたら、破産する人が出てきてしまう」と複数回のリピート鑑賞者の懐事情を気遣い、「自己犠牲ではなく、ガンダムを知らない、観てない、なんなら嫌いという人にもすすめて、自己負担がかからないように」と笑みを浮かべる。「ガンダムは本来人間ドラマだということを再確認する意味で、心を込めて作りました。『騙されたと思って観て!』と周りの方にすすめてみてください」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ