「優しさにあふれた良作」「もう一度観なきゃ」感想コメントから紐解く、『ベイビー・ブローカー』が支持される理由
6月24日に全国公開初日を迎えるやいなや、幅広い層の観客から支持を集めている是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』。本作の公式サイトでは「#ベイビーブローカー見た」感想投稿キャンペーンを実施しており、鑑賞した人たちから早くも様々な感想が寄せられている。そこで本稿では、寄せられた声のなかからいくつかのコメントをピックアップし、本作の魅力や見どころを熱い言葉と共に紹介していきたい。
ある夜、若い女ソヨン(イ・ジウン)が“赤ちゃんポスト”の前に赤ん坊を置き去りにする。その赤ん坊をこっそり連れ去ったのは、クリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、赤ちゃんポストがある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。彼らの裏稼業は、子を望む夫婦に闇で養子を仲介する“ベイビー・ブローカー”だった。翌日、思い直して戻ってきたソヨンは2人と会い、話の成り行きから彼らと一緒に赤ん坊の養父母を探す旅に出ることに。一方、刑事のスジン(ペ・ドゥナ)と後輩の(イ・ジュヨン)は、彼らを現行犯で逮捕しようと、静かに追跡していく。
クオリティの高さに絶賛の声が続々!ギャップあるハートフルな展開も好評
まず圧倒的に多かったのが、「一本の映画として、すばらしいクオリティ」だったという声。人間味ある魅力的なキャラクターたちと、観る者の胸を震わせるセリフや名シーンの数々に「感動した」というコメントが続々。「もう一度観たい」という声も目立った。
「ああ、いい映画だった…と素直に言える作品」
「本当に観られてよかった映画だった。生まれてこられてよかったと思えるし、IUちゃんも生まれてきてくれてありがとう。DVDが発売になったら、必ずゲットする!」
「いまだに余韻から抜け出せない。特に観覧車のシーンや、暗がりのシーン…涙と鼻水でマスクの中が大変なことになっていました。いい映画だった」
「やさしい言葉に胸が熱くなり、観終わってから、心が温かくなりました。とてもすてきな作品…。また観に行きます」
「是枝監督の優しさにあふれた良作。派手な演出はないけれど、胸に迫るセリフ多し。ソン・ガンホ氏はさすが。母親役のイ・ジウンもよかった」
「マジでおもしろかったし、めちゃ泣いた。IU(イ・ジウン)ちゃん見たさで行ったけど、どの俳優さんの演技も、ストーリーもすべてがすばらしかった。2回目も行きたい!!」
赤ちゃんを売るという違法行為に手を染めるブローカーたちと、彼らを執拗に追跡する刑事たち。一見、サスペンス色の強い作品と思った人も多かったようだが、「いい意味でイメージと違っていてよかった」という声も上がっている。
「予告編のイメージとはまったく異なる展開が、私にはズシンときて最高でした。率直な感想を書くとネタバレになってしまうのでなにも言えないけど、とにかく観てください!おすすめです!」
「重いテーマだけど、重いだけじゃなくて、クスッとなったり、グッときて泣きそうになりました」
エンタメ性も高いロードムービー的なおもしろさ
劇中、ブローカーたちが一台のバンに乗り込み、赤ちゃんの養父母を求めて、てんやわんやの旅を続けていく描写には、どこかユーモラスなロードムービーといった味わいも。エンタテインメントとしてのストーリーのおもしろさは、本作の大きな魅力だ。
「ストーリーが進むにつれて登場人物たちの背景が明確になっていく。ラストの着地点はどうなるのか?と思っていたら、なるほどと納得」
「赤ちゃんポストに我が子を捨てた女、赤ちゃんを売ろうとするブローカーたち、彼らについてきた孤児、彼らを追う刑事たちのお話だけど重苦しくなく、話が進むにつれて、赤ちゃんを中心にみんなが一体になっていく感じがよかった。ラストの名言に涙」
「彼らがどうしてブローカーを始めたのか、母親はなぜ子どもを捨てたのか、養父母探しの旅のなかでどんな感情が生まれたのかが丁寧に描かれて、みんなそれぞれの想いが表情から伝わってきた」