戸田奈津子、“トム・クルーズの隣にいなかったワケ”を告白!字幕翻訳の極意は「感情的にちゃんと訴えられる日本語を」
トム・クルーズ主演のスカイアクション映画『トップガン マーヴェリック』(公開中)が、早くも日本興行収入70億円を突破する大ヒットを記録している。7月3日には、この日60歳を迎えたクルーズを祝ってTOHOシネマズ日比谷でバースデイイベントが開催され、映画字幕翻訳家の戸田奈津子、日本語吹替版でマーヴェリック役の声優を務めた森川智之が登壇。サプライズで、モデルのUTAがバースデーケーキを乗せたワゴンを持って駆けつけた。
本作は、超精鋭パイロット養成校トップガンの訓練生の青春を描いた『トップガン』の36年ぶりとなる続編。困難な任務に直面したベスト・オブ・ザ・ベストのパイロットたちの元に、伝説のパイロット・マーヴェリックが教官として赴任する。
クルーズとは40年来の付き合いがあり、彼から絶大な信頼を受けている戸田だが、なんとクルーズとは誕生日も一緒。この日で86歳となった戸田は「偶然にお誕生日が一緒なものですから。今日こういったイベントを組まれてしまって」と口火を切った戸田は、「いつもトムにお世話になってますけれど、 こういうことまでトムのおかげ。こんな晴れがましいところに出させていただいて、本当に感謝です」と笑顔を見せ、大きな拍手を浴びた。
首に巻いたスカーフはトムからのプレゼントだそうで、戸田は「トムはお誕生日に必ずお花をくれる。今朝もお花屋さんがステキなお花を持ってきてくれて、そこにエルメスの袋がついていた。その中に入っていたのがこれ」とスカーフを紹介。「今日はたまたま黒い洋服を着ようと思っていたので、すごくぴったり。トムは千里眼なんじゃないかと思う」とクルーズのセンスに惚れ惚れ。「本当にグッドタイミング。トムちゃん、ありがとうございます」と親しみを込めながら感謝を述べていた。
“来日したクルーズの横には、必ず通訳の戸田が隣にいる”というのが、おなじみの光景だったが、先日の来日では、ステージに戸田の姿は見えなかった。戸田は「トムはやれることすべてに熱心でしょう?いつも200パーセントの力を出す努力をしている。私も通訳として、やはりこんな年齢になってパッとうまく通訳できなかったら、もし100パーセントを欠いてしまっら、200パーセントを出しているトムに申し訳がないと思った」と説明。「来る1月前ぐらいに決意して、『今回は降ろしていただく』とメールした。そうしたらかなりびっくりしていたけれど、状況を説明したら『わかった』と許してもらいました」と直接、クルーズに降板の申し入れをしたという。
この日は森川が戸田をエスコートをしてステージに上がったが、戸田が「記者会見の終わりには、いつもトムも手をとって舞台を降ろしてくれた。なぜ私にあんなに優しくしてくれるのかわからないけれど、トムは本当に優しい方」と明かすと、森川は「それはもう、戸田さんの人柄じゃないですか?」と分析。戸田は「なにも特別なことはしてませんよ。本当にいい人だから、みんな、彼にはなにかしてあげたいという気持ちになる。その一人ですよ」とクルーズの人間力について語る。森川も「トムのファンサービスのすごさは、世界一。以前、歌舞伎町をジャックして、夏の炎天下のなかで2、3時間レッドカーペットをやった」と続くと、戸田は「あの人は汗をかかない。スターは汗をかいてはいけないということで、水も取らない。最後までビシッとしている。あの根性はすごいですよ」と称えたが、これには森川が「アスリートのような身体を持ったトムの横に、炎天下でもずっと一緒に戸田さんがいる。逆に言うと、戸田さんのほうがすごいんじゃないか」と笑っていた。