坂本龍一がオリジナルテーマを担当!A24最新作『アフター・ヤン』の日本公開が決定
長編デビュー作『コロンバス』(17)で世界中の映画ファンから注目を集めた韓国系アメリカ人の映像作家コゴナダ監督が、気鋭のスタジオ「A24」とタッグを組んだ『After Yang』が、『アフター・ヤン』の邦題で10月21日(金)より日本公開されることが決定。ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。
本作の舞台は“テクノ”と呼ばれる人型ロボットが一般家庭にまで普及した未来世界。茶葉の販売店を営むジェイクと妻のカイラ、中国系の幼い養女ミカは慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしロボットのヤンが突然の呼称で動かなくなり、ヤンを本当の兄のように慕っていたミカはふさぎ込んでしまう。修理の手段を模索するジェイクは、ヤンの体内にヤンが撮りだめた断片的な記録映像を発見。そこにはジェイクの家族に向けられた温かな眼差しと、素性不明の若い女性の姿が残されていた。
主人公のジェイク役を演じるのは、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(22)での怪演も記憶に新しいコリン・ファレル。共演には『ウィズアウト・リモース』(21)のジョディ・ターナー=スミス、「アンブレラ・アカデミー」のジャスティン・H・ミン、2011年生まれの子役マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ。そして『コロンバス』で主演を務めたヘイリー・ルー・リチャードソンが物語のカギを握る謎めいた女性を演じる。
小津安二郎監督の信奉者として知られるコゴナダ監督は、派手な視覚効果やスペクタクルに頼らずに唯一無二の未来的世界観を構築。さらにオリジナル・テーマ曲を世界的作曲家の坂本龍一に依頼し、劇中音楽を手掛けたAska Matsumiyaの美しいアレンジに加えて、岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』(01)で多くの映画ファンの胸に刻まれた名曲「グライド」を、Mitskiが歌う新バージョンとしてよみがえらせた。
解禁されたポスタービジュアルと場面写真には、ジェイクら家族と、人間と何ら変わりない外見のAIロボットのヤンの姿が写しだされている。ヤンの体内に刻まれた記録と記憶は、いったいなにを物語るのか。静謐な映像と心に響く音楽で、人間と人工知能の関係性を描きだす本作。さらなる続報に期待しながら、公開を待ちたい。
文/久保田 和馬