田中圭、相棒犬と客席を通って『ハウ』舞台挨拶に登場!“もう一度会いたい人”は犬好きだった「母ちゃん」
ワンと鳴けない犬と気弱な青年の絆を描く『ハウ』の公開記念舞台挨拶が8月20日に丸の内TOEIで開催され、田中圭、池田エライザ、モトーラ世理奈、長澤樹、宮本信子、犬童一心監督が登壇。田中はこの日、“ハウ”を演じた俳優犬のベックと会場の後方扉から客席を通って登場。大いに会場を盛り上げた。
『のぼうの城』(12)の犬童一心監督と『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)の脚本家である斉藤ひろしが初タッグを組んだ本作。田中が、婚約者にあっさりフラれ、人生最悪な時を迎え途方に暮れる赤西民夫役を熱演。民夫と運命の出会いを果たし、彼に寄り添う犬のハウを初演技となるベックが演じた。ベックと仲よく登場した田中は「公開を迎えてテンションが高いのか、すごく飛び跳ねていました。早くみんなの前に立たせろという感じで」と袖でのベックの様子を紹介。「でも(扉が)開いた瞬間、堂々と歩く。さすがや、コイツ」と改めてその天才ぶりに驚きつつ、「今日テンションが高い。うれしそう」と目尻を下げていた。
公開を迎えて「うれしい」と口火を切った田中は、「世代を問わずオススメできる作品。自分の周りでも、子どもたちが『観たい』と言ってくれているので。『早く行けよ』と言っています」とにっこり。ベックについて「かわいい。フワフワしていて、白いし、食べちゃいたくなる感じ」とメロメロの田中だが、「改めて撮影を振り返ると、コミュニケーションを取ったり、共演者として『ベックにちゃんとお芝居をさせてあげなきゃな』とか、そういうことを考えていた。プロモーション期間のほうが、ただただ『かわいいー!』とできた」と話していた。
登壇者陣それぞれがベックに愛情を傾けていたが、心動かされたシーンに話が及ぶと、池田は「最後です。優しすぎる結末。愛を感じました」とコメント。さらに「たくさんの人に出会っていくなかで、ハウが一人になっているシーン(も印象的)。その後ろ姿の哀愁に、胸がぐーっとなった。どういう人生を積んだら、あの背中になれるんだろうかと思わされた」と笑顔を見せていた。
またハウが大好きな民夫に”もう一度会いたい”気持ちを胸に、青森から横浜までを駆け抜けるストーリーにちなみ、それぞれが”もう一度会いたい人”についてトークを繰り広げるひと幕も。田中は「母ちゃん」と書いたフリップを披露。「もういまは会えないんですが、そういえばむちゃくちゃ犬好きだったなと思って。たまに、ワンちゃんが散歩していて『かわいいね』って寄っていく時に、『え、飼い主じゃないですよね?』と思うくらい、(犬を)かわいがる人がいるじゃないですか。そういうタイプだったんですよ」と母の思い出を回想し、「自分がこの場に立って、ベックと一緒に舞台挨拶をしているのを見たかっただろうなと思う」と目を細めていた。
取材・文/成田おり枝