ブラッド・ピット、新幹線での“動く”レッドカーペットに見参！『ブレット・トレイン』は真田広之の参加で「格が上がった！」

伊坂幸太郎の⼤ベストセラー⼩説「マリアビートル」を、ブラッド・ピット主演でハリウッド映画化した『ブレット・トレイン』(9月1日公開)で、来日したピット、アーロン・テイラー＝ジョンソン、真⽥広之、デヴィッド・リーチ監督が、史上初となる新幹線での“動く”レッドカーペットを歩き、グリーティング・イベントで撮影裏話を語り合った。

映画の舞台が東京発の超⾼速列⾞ということにちなみ、JR東海の協⼒のもと、東京駅から京都駅まで移動する東海道新幹線のぞみの中で催されたこのイベント。感想を聞かれたピットは「実際にいま、新幹線に乗ってみると、まるで『ブレット・トレイン』の現場にいるようなデジャブを感じました。ロックダウン中での撮影で、新幹線のセットを作り、LEDのウォールに風景を映し出していたので」と興奮しながら語った。

ジョンソンも「このような形で日本の方々に温かく迎えられて、こうして新幹線に乗せていただけるようなイベントができるなんて！映画のなかでは運命などの話が出てきますが、今日は最高にツイている気分で、非常に光栄です」と喜びを口にした。

真田も「本当に現場で戻ってきたようだねと話していたんです。一緒に映画を作ってきたメンバーと、こうして新幹線の中でレッドカーペットができるというのは、本当に夢のようで幸せです」としみじみ語った。

また、本作のオファーをもらった時の感想を聞くと、ピットは「ロックダウンが始まって5か月後くらいで、気が狂いそうになっていた時にこの脚本が送られてきました。デヴィッド・リーチ監督からのオファーでしたが、彼とは『ファイト・クラブ』で僕のスタンドダブルをやってもらって以来の友人です。また、脚本にはすばらしいキャラクターがたくさんいて、とにかく笑えました。こういう笑いがコロナ禍では必要なんじゃないかなと思ったわけです」と快諾したとか。

ジョンソンも「アンサンブルのキャストの作品で、すばらしいキャラクターたちがいて、本当に惹かれました。この楽しい映画に参加したいと思いましたし、日本に行くのも初めてだと思いました。もちろん(コロナ禍で)当然行けなかったわけでスタジオでの撮影になりましたが、このチームでできたことが最高でした」とうれしそうにコメント。

真田も「日本の小説が原作で、すばらしい国際的なキャストを迎えて、全世界に発信できるという喜びと、非常に上手くアダプトされた脚本を読み、何度かお仕事をしたことのあるデヴィッド監督ということで、おもしろくならないわけがないと言う直感に駆られ、即答しました。乗車します！って感じでした」と語った。

また、真田と初共演した感想を尋ねられたピットは「真田さんが入ってくれたことで、非常に優雅さや格が上がりました。真田さんは、もう50年？45年？もアクション俳優として活躍されてて、戦いのジャンルでアイコンとしてずっと続けられてきたこと自体がすばらしいし、一緒に仕事ができたことが光栄です。もうちょっと褒めましょうか？」とおちゃめに褒め殺す。

さらに、ピットは「監督と話しあったんですが、(真田が演じた)エルダーという役は非常に重みのある役者が必要でした。実際に真田さんが入ってくるとその場がシーンとなるんです。そういう尊敬する人じゃなくては務まらない役だった。このキャラクターは物語の心臓の部分で、魂の部分でした」と真田をリスペクト。

真田は恐縮しながら「撮影前に聞かなくて良かったですね。プレッシャーが…」と苦笑いしつつ「まあ、実は55年でしたけど」というと、ピットたちが笑顔でおちゃめにひれふし、会場の笑いを誘う。

真田は「長老なもんですから(苦笑)。でも、本当に彼は最初に会った時から気さくで、映画に懸ける情熱がすばらしい。その空気感に包まれて撮影できたのが幸せでした。監督と彼の信頼関係も、スタッフにじわじわ伝わってきて、いいチームワークを初日から作り出してくれて、感謝でしかないです」とコメント。

さらにピットについて「優雅で温かい機関車のような人。トーマスかどうかはわかりませんが、柔らかいオーラで全員を力強く引っ張っていくという特殊なエネルギーを感じました」と称えた。

最後にピットは「この映画を携えてやってこれてとてもうれしいし、僕たちの日本に対する愛情を感じていただけると思います。アクションもすばらしいし、楽しい作品になってます。アリガトウ(日本語)」と締めくくった。

取材・文/山崎伸子