「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ターガリエン家の王位継承争いのキーマン、ヴェラリオン家の夫婦を演じるキャストを直撃!
「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」(U-NEXTにて独占配信中)は、本来ならば王位を継承するべきだったレイニス・ターガリエンが、女性だという理由で従兄弟のヴィセーリスに奪われてしまうところから始まる。ヴィセーリスの人柄はいいが、彼が国のトップにふさわしいかはやや疑問だ。そんな彼を見るたびに、レイニスと彼女の夫で“海蛇”の異名を持つ、ウェスタロス史上最も有名な海洋冒険家コアリーズ・ヴェラリオンのなかには不満が募っていく。
そんな夫婦を演じるのが、オーストラリア人女優のイヴ・ベストと、イギリス人俳優スティーブ・トゥーサントだ。第1話の出演シーンはそれほど多くなかったが、第2話以降ターガリエン家の王位継承を巡るこれからの物語において、重要になっていきそうな気配をたっぷりと感じさせる。今作の撮影体験について、ロサンゼルスで話を聞いた。
「女性蔑視の文化を解明するのは、いまとてもタイムリーなことだと思います」(ベスト)
――「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界には女性蔑視の文化がありましたが、このシリーズは正面からその部分を取り上げるのでしょうか?
ベスト「とてもしっかりと取り上げていると思います。初めてライアン・J・コンダルとミゲル・サポチニクと会った時から、その話が出ました。それがこのストーリーを引っ張っていくのだと。第1話の冒頭で、レイニスは女性であるがために王位を継承できません。そんなところからこの話を始めるのだと聞いて、私は強い興味を持ちました。女性蔑視の文化を解明するのは、いまとてもタイムリーなことだと思います。タイムリーというのは、2022年においてですけれど。この物語の舞台は現在よりずっと昔なので、その時代にこのテーマを語るというのは、むしろ先を行っていることになるのかもしれません」
トゥーサント「そこが悲しいところです。僕らはいまの時代になっても、まだその戦いを続けているんです。それでも、ちょっとずつ進化はしているとは思います。今日は昨日よりマシ。もっと早く変化が起こらないことにフラストレーションは感じますが、動いていないわけではないんです」
――ジョージ・R・R・マーティンが書いた原作とこのシリーズでは、お2人が演じるキャラクターはどのように違っているのでしょうか?
ベスト「『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の原作は、『ゲーム・オブ・スローンズ』とはかなり違うスタイルで書かれているんです。『ゲーム・オブ・スローンズ』は小説の形ですが、こちらは歴史の記述という感じで。例えば、“6月3日に戦いがあった”とか、なにがあったかがあっさりと書かれているだけです。そんなところからライアンとミゲルが大きく膨らませていったんです。本に1行しか書かれていない出来事も、彼らはドラマチックな長いシーンに発展させています」