世界初の盲ろう者大学教授、福島智の半生描く『桜色の風が咲く』小雪&田中偉登が親子役に
9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智の幼少期から大学受験までの姿を描いた映画『桜色の風が咲く』の公開が決定。11月4日(金)より公開となり、主演を小雪、智の幼少期を田中偉登が務める本作より、ポスタービジュアルとキャストコメントが到着した。
視力と聴力を次々と失いながらも、大学へ進学し、現在、東京大学の教授を務める智、と母の令子の実話にもとづいて描く本作。一つひとつ困難を乗り越えながら人生の可能性を広げていく2人の勇気を映しだしていくと同時に、令子が、盲ろう者である智との日常の中から考案した、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”誕生に至る、知られざる物語が語られていく。
幼い頃からやんちゃで明るく、自身の可能性を諦めない智を支え、母としてのたくましさを得ていく主人公、令子を演じたのは、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズほか多くの作品に出演する小雪。本作の脚本を読み出演を熱望したという彼女が、12年ぶりに主演を務め新境地を拓く。また、智役を演じるのは、気鋭の若手俳優、田中。愛すべき楽天的な姿と共に内面の深さをも体現した。そして夫の正美役を吉沢悠が務めるほか、リリー・フランキー、朝倉あきらが顔をそろえる。
監督は、『最後の命』(14)、『パーフェクト・レボリューション』(17)の松本准平。新型コロナウィルスのパンデミック下で、人とのコミュニケーション、そしてかかわり方が難しくなっているいまだからこそ、触れ合うというコミュニケーションの原点の大切さを伝えていく、温かな人間賛歌に作り上げている。
あわせて解禁となったポスタービジュアルでは、令子を演じる小雪が、風吹くなか凛とした姿で、田中演じる息子、智を遠くから見守り、盲ろう者である智は桜咲くころの風を感じる姿が印象的なシーンを組み合わせた、美しい色合いに。なお、タイトルは“人として生きる意味”を強く伝えてくれる令子と智の姿を毎年変わらずに花開かせる「桜」と重ねながら、「桜」を見ることができなくとも、風で「桜」を感じ、「咲いている」ことが“見える”智の世界、そして本作のエンディングシーンを表現するタイトルとなっている。
出演に際し小雪は「障がい者というと、人は憐れみや同情を思い浮かべるかと思われがちですが、
希望そのものだと私は感じています」と、田中は「どうしようもなく心が折れそうな時、踏ん張る力をくれる映画です。『笑顔』で前を向き進んでいけば道は開けると僕が福島さんから学び感じたことがスクリーンを通して皆さんに伝わると嬉しいです」と、それぞれ作品への思いを寄せた。
令子と智は、どのようにして困難を乗り越えていったのか?2人の希望に満ちた未来を見届けよう。