「時代遅れの英国王室に革命をもたらした」英国王室研究家が語る、ダイアナ妃の色褪せない存在感
「ダイアナ妃は伝統と革新を見事なバランスで両立させた」
「時代遅れだとも言われていた英国王室に、風穴を開けたのがダイアナ妃」と分析し、彼女が起こした変革は、息子であるウィリアム王子とその妻であるキャサリン妃にもあらゆる影響をもたらしていると続ける。
「ダイアナ妃は自宅ではなく、病院でウィリアム王子とヘンリー王子を出産しています。王位継承者を病院で産んだというのは、英国王室で初めてのことです。出産に際しては、キャサリン妃もダイアナ妃と同じ病院を選んでいます。また、英国王室ではそれまで、外遊に子どもは同行させないのが通例でしたが、ダイアナ妃は初めてツアーに子どもたちを同行。キャサリン妃も同じようにしていますね。そして、ダイアナ妃は子どもたちにモンテッソーリ教育(医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法)を受けさせていましたが、ウィリアム王子とキャサリン妃の長男であるジョージ王子も、モンテッソーリの幼稚園に通っていました。シャーロット王女のミドルネームが“ダイアナ”であることからも、ダイアナ妃への想いが窺えますよね」と例を挙げ、「ダイアナ妃は伝統に縛られず、時代を考慮しながら、出産や子育て、教育に取り組んでいた。ウィリアム王子とキャサリン妃は、そういったダイアナ妃が意志を持って切り拓いてきた部分と、エリザベス女王がこれまで守ってきた伝統の両方を、見事なバランス感覚を持って受け継いでいるんです」と説明する。
「キャサリン妃は、ダイアナ妃を通してパパラッチとの付き合い方を身に着けた」
にしぐちが最も、ダイアナ妃がキャサリン妃に影響を及ぼしていると感じるのは、「メディア対策」だという。ウィリアム王子とキャサリン妃がメディア対策に心を砕いているのは、パパラッチに追われ続けたダイアナ妃を悲劇的な事故で亡くした経験があるからだ。「ダイアナ妃は、パパラッチに追いかけられ続けていました。だからこそキャサリン妃は、結婚前から『どうやってパパラッチと付き合えばいいのか』と冷静に判断して、対処法を身につけている」とキャサリン妃の対応力を絶賛する。
「ウィリアム王子とキャサリン妃がまだ交際中のころ、キャサリン妃のバイト先までメディアが追いかけてきたことがあるんです。バイト仲間が『表にたくさんカメラがいるから、裏口から出たほうがいい』とアドバイスしたところ、キャサリン妃は『彼らは写真が撮りたいわけだから、1枚撮ってもらって帰ってもらえばいい』と表から堂々と出ていったそうです。すごいですよね」と感服しつつ、「ウィリアム王子も、母の死を引き起こした原因でもある、大嫌いだったパパラッチとうまく付き合えるようになった。それはきっとキャサリン妃のおかげだと思います。いまとなっては恒例になりましたが、子どもたちの誕生日にはキャサリン妃が撮影したポートレートを公開するなど、彼らは国民やメディアが望んでいることをきちんと理解して、半歩手前でそれを実行しています。そうすれば、揉めるようなことはありませんから」とウィリアム王子とキャサリン妃は、メディア対策を通して国民とも良好な関係を築いているという。