MIYAVIが語る、原田眞人と岡田准一に刺激された表現欲「もっとレベルを高くしていきたい」

インタビュー

MIYAVIが語る、原田眞人と岡田准一に刺激された表現欲「もっとレベルを高くしていきたい」

「サムライギタリスト」として名をとどろかせ、さらに俳優としてもアンジェリーナ・ジョリー監督作『不屈の男 アンブロークン』(14)やハリウッド超大作『キングコング:髑髏島の巨神』(17)、『マレフィセント2』(19)など、ワールドワイドに活躍するMIYAVI。独自の地位を築いた彼が、“日本映画に革命を起こす”を謳う野心作に出演した。監督・原田眞人、主演・岡田准一の最新タッグ作『ヘルドッグス』(公開中)だ。

『ヘルドッグス』は、原田眞人監督が岡田准一と三度タッグを組んで望んだ野心作
『ヘルドッグス』は、原田眞人監督が岡田准一と三度タッグを組んで望んだ野心作[c]2022 「ヘルドッグス」製作委員会

「聴いてくれる、観てくれる人に『ワオ!』と感じてもらいたい」

やくざ組織の世界に足を踏み入れた潜入捜査官の闘いを、フィルムノワール調に描いた本作。岡田がファイトコレオグラファー(技闘デザイン)を担当し、泥臭さと流麗さがせめぎ合うアクションが全編で展開。悪役を美しく描くピカレスクロマン的な要素も印象的だが、その部分をけん引するのが岡田扮する主人公、兼高と坂口健太郎演じるサイコな相棒、室岡、そしてMIYAVIが演じる2人を用心棒として従えるインテリヤクザ、十朱だ。組のトップを張る十朱を演じたMIYAVIは、劇中で匂い立つほどのカリスマ性を発揮。ライブなどでのパフォーマンス然り、魅せ方の才が際立つ彼だが、本人は「もちろん意識はしていますが、意識して伸ばしているわけでもありません」と語る。

『不屈の男 アンブロークン』など、これまでもどこかひと癖あるキャラクターを演じてきた
『不屈の男 アンブロークン』など、これまでもどこかひと癖あるキャラクターを演じてきた撮影/興梠真穂

「基本的には音楽でも映画でも、聴いてくれる、観てくれる人に『ワオ!』と感じてもらいたい。そういった意味では、僕は映画のなかでもキラッと光る存在でいたいとは思っています。だから逆に普通の役はできないのかも。僕自身も、ひと癖ある人物を演じるのが好きだし。今回演じた十朱も単純なヤクザの親分的なキャラクターではなく、映画を観ていくうえで明らかになるもう一つのレイヤーがある悪役。僕も普通とはちょっと違った道を歩んできた。そういった自分だからこのキャラクターを演じる必然性があったのかなと感じています」。

関東最大のヤクザ組織“東鞘会”の会長、十朱を演じたMIYAVI
関東最大のヤクザ組織“東鞘会”の会長、十朱を演じたMIYAVI[c]2022 「ヘルドッグス」製作委員会


つまり、MIYAVIが重視しているのは表現によらず、己自身の個性を貫くということ。その結果、副産物的に彼ならではの“魅せ方”が育っていったというわけ。しかし、役に対して自分を寄せていくスタイルではなく、自分のカラーを保ちながら役と並走していくのは相当のカロリーを消費するもの。MIYAVI自身、「現場でもずっと役に入っているから、音楽活動に影響が及ぶこともあります」と明かす。「撮影期間中はやっぱり、いつものようには音楽を作れなくなります。チェックくらいならできるけど、やっぱり素に戻っちゃうからできればあまりやりたくないのが本音ですね。キャラクターに深く入れるかが、演技においては僕にとってはすごく大事なので」。

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