福山雅治、「ガリレオ」続編へ期待!「皆さまが求めてくだされば、愛情は次なる傑作に繋がる」
「ガリレオ」シリーズ映画最新作となる『沈黙のパレード』(公開中)の初日舞台挨拶が都内で開催され、主演の福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、西谷弘監督が揃って登壇。原作者の東野圭吾からは「ガリレオはこれでゴールインなのでしょうか?」とメッセージが届き、続編の製作に福山らも期待を込めた。
東野圭吾の累計1500万部を超えるガリレオシリーズ第9弾「沈黙のパレード」を原作に、9年ぶりの再集結となった本作。遂に迎えた初日に、主演の福山も「やっと皆さんに観ていただくことができた今日という初日を、また新たな始まりの日として実感しております。本当に感無量です」と感慨深げに挨拶。
続いて柴咲も「やっと皆さんにこの映画を観ていただくことができました。観ていただいて、そして拡散していただくことで、この映画が幸せに報われることになりますので、ぜひ皆さんのお力添えをよろしくお願いいたします」と笑顔で挨拶。満席となった客席を前に、北村も「これだけの人に観ていただけることが、すごく幸せなことだなと、いまここに立ってすごく実感しています。一生懸命頑張った作品です。楽しんでいただけていたらうれしいなと思います」と笑顔を見せた。
本日9月16日より全国364スクリーンで公開され、早くも興行収入30億円突破を見込める大ヒットスタートをきっている本作。司会者から「大ヒット間違いなしというロケットスタート」だと聞くと、福山も「それ信じていいんですか?」と笑顔で返し、この舞台挨拶前の「スタッフさんと、この作品に携わった方々の表情が明るかったですね!」とうれしそうに語る。
福山自身、ツイートなども確認しているようで、「皆さまの声が気になるので朝から見ています。僕は見る派です」と断言。「皆さん楽しかったという声が届いております。僕らでは考えつかなかった、そういう見方があるんだなっていうような新しい発見もありますし、今日も皆さんの感想をたくさんつぶやいてください。編集はもう変えられませんけど(笑)」と呼びかけ、「やっぱり結果に結びついていくというのは本当にうれしいこと。でもさらにうれしいのは、お一人お一人の感想に込められた『すごく胸に迫るものがありました』とか、『待ってました』とか、そういう血の通った言葉たちによって、いろいろとやってきたことが良かったなと思えます」と観客へ向けて感謝の言葉を述べた。
また今回、久々にタッグを組んだ福山演じる湯川と柴咲演じる薫。柴咲は「テレビドラマの最初の方は、盛り上げないとという部分が自分自身ありましたし、少し声のトーンも高くしたり、湯川先生を怒らせたりみたいな、そういう役割かなと思っていたんですけど、こういうふうに年月が経つと演じている方としては楽になりましたし、落ち着いてお芝居ができるというのはありました」と回顧。
さらに柴咲は、本作で初めて撮影した福山とのシーンについて、「100%湯川先生だったんです。完全なる湯川先生で、私自身も久しぶりの福山さんなんですけど、湯川先生のゆっくりした動きというか独特の感じが『もう湯川先生だ』と思って」と、改めて福山のすごさを実感したそう。
いっぽう、湯川と北村演じる草薙の友情がもっとも色濃く描かれた本作について、北村はとてもやりがいがあったと語りつつ、「大変なシーンが結構多かったので、暗いというか、深いつらいというか、苦労しました」と吐露。「基本的に準備はクランクイン前にやるので、現場に入る時というのは普通は引きずらないんですけど、今回は少し引きずったというか…。自分のお芝居がつらいわけではなくて、人のお芝居を見るのがつらかったです。それぐらいすごく突き刺さるセリフが多かったですし、皆さんのお芝居、熱量もすごかった。テストから怖いぐらい叫ばれていて、すごくすばらしい演技でもあるんですけど、やっぱり引きずりました。こんな作品は本当にないです」と明かした。
『容疑者Xの献身』(08)、『真夏の方程式』(13)と映画3本すべてのメガホンをとった西谷監督だが、そんな3人について、「とにかく3名がそろうところは演出しない演出というか、瞳に映っている相手が役になっているので、3人の空間はすごく早かったです」と絶大なる信頼を見せる。「自分も一観客として楽しめるし、スタッフたちの表情を見て、いけるかなという自信が持てた瞬間でもありました」と述懐した。
さらに舞台挨拶では、「ガリレオ」の生みの親である作者の東野圭吾からサプライズでメッセージが到着。福山へは「湯川学さん、久しぶりに福山雅治を演じてくださり…間違えました。福山雅治さん、久しぶりに湯川学を演じてくださりありがとうございました。もはやどちらでもいいんじゃないかと思うぐらい、私の中で二人は同化しております」と言葉をおくり、柴咲へは「もう内海薫は見られないのかなと思っていただけに本当にうれしかったです。戻ってきてくださったことに感謝します」とメッセージ。
北村へは「北村一輝さん、私が見たかった草薙をようやく見せていただけました。長年の夢が叶った気分です」と語り、さらに西谷監督へは「お見事でした。この長い原作をいかにして二時間ちょっとの映画にするのか、私には想像がつきませんでした。過去のガリレオ映画も素晴らしかったですが、今作が最高作だと思います」と最大の賛辞をおくった。そして最後「ところで皆さん、ガリレオはこれでゴールインなのでしょうか?」と意味深なメッセージで終わると、福山も「僕らが聞きたいんですけど…」と喜びの表情を浮かべ、「皆さんの足並みがそろってですからね」と語ると、会場からは大きな拍手が。「僕もう9年後だったら、62歳。生きてないといけない(笑)」と話して会場の笑いを誘う一幕も。
東野のメッセージを受け、柴咲も「薫に対する愛情を感じました。周りのガリレオ愛が、どんどん深くなっているのを感じる」としみじみ。西谷監督も「ありがたいですね。原作を読んだ時に、ガリレオファンをすごく大切にしているなと感じました。読者の皆さんも、この3人の顔を思い浮かべながら読んでいると聞いて、映像に携わる身としては、こんなにうれしいことはない」と顔をほころばせていた。
最後には、福山が「この15年という時間が、いろんなことに繋がっているんだなと思っています。離れ離れになっても、それぞれで得たものがここでまた集まって、非常に豊かに実ってそれが今作に繋がっているんだなと実感しています。皆さまの15年も映画に入っている。たくさんの方に愛してもらって、それがいまと作品に繋がっています。皆さまが求めてくださるのであれば、その愛情は次なる最高傑作を生みだすことに繋がっていけると思っております。また観にきてやってください!」と笑顔で呼びかけた。
取材・文/富塚沙羅