「PFFアワード2022」グランプリ&準グランプリは共に“親友”タッグ!それぞれの絆が会場を沸かせる

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「PFFアワード2022」グランプリ&準グランプリは共に“親友”タッグ!それぞれの絆が会場を沸かせる

9月25日(日)まで国立映画アーカイブにて開催中の「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」。本映画祭のメインプログラムであるコンペティション「PFFアワード」が22日、コートヤード・マリオット銀座東武ホテル 2階「桜の間」にて行われ、審査員より各賞の受賞者が発表された。

【写真を見る】PFFアワード2022、受賞監督らのコメントにもドラマが!
【写真を見る】PFFアワード2022、受賞監督らのコメントにもドラマが!

40年以上の歴史を誇る「PFFアワード」は、これまでに石井岳龍、黒沢清、塚本晋也、矢口史靖、佐藤信介、李 相日、荻上直子、石井裕也、山戸結希など160名を超えるプロの映画監督を輩出した、映画監督への登竜門。本年は520本の応募から入選を果たした16作品が映画祭で上映され、最終審査員の選ぶグランプリ、準グランプリ、審査員特別賞(3作)の5作品と、PFFオフィシャルパートナーや観客の選ぶ賞として、エンタテインメント賞(ホリプロ賞)、映画ファン賞(ぴあニスト賞)、観客賞の3作品、計8作品が選出となった。


目くばせしながら笑顔がこぼれる、峰尾(右)、高橋(左)両監督
目くばせしながら笑顔がこぼれる、峰尾(右)、高橋(左)両監督

はじめに発表となったのが、観客の人気投票によって決定した観客賞。受賞した『スケアリーフレンド』は、プレゼンターの国立映画アーカイブ学芸課長の入江良郎が「会場を一番盛り上げた作品」と評するエンタテインメントの高い力作。中学からの友人同士である峰尾宝、高橋直広両監督は「友達が少ないので、喜びを誰に伝えたらいいか…」とお互いを見やりながら照れ笑いを浮かべていた。

映画ファン賞(ぴあニスト賞)を受賞した『瀉血』の金子優太監督は、「映画は1人では作れないものだと思いました。今日会場にも来てくれているスタッフの皆さんにもあらためて感謝したいです」と神妙な面持ちでスピーチした。

『瀉血』では主演も兼任した金子監督
『瀉血』では主演も兼任した金子監督

エンタテインメント賞(ホリプロ賞)を受賞した『水槽』の中里有希監督は、就職活動真っ只中の現役大学生。プレゼンターを務めたホリプログループ会長の堀 義貴より、「所属タレントと仕事をしてほしいという観点でも選ばせていただいた。就職活動に困ったら、相談してください」と声をかけられると、「今日会場にお母さんが来ているので…」と満面の笑みを見せていた。

まさかのホリプロ入りのチャンスに、ニッコリの中里監督
まさかのホリプロ入りのチャンスに、ニッコリの中里監督

審査員特別賞では、審査員の玉川奈々福が「鎮魂の物語」と激賞した『the Memory Lane』の宇治田峻監督は、「こんな素敵なご婦人から賞をいただけて…」としどろもどろになりながらもニッコリ。光石研が「12分の短さもよかったが、もっと長いものを観たい!」と述べた『幽霊がいる家』の南香好監督は、本日のために在住する京都から駆け付けたということで「好きなものを作ってきたのですが、初めて人に観ていただくという貴重な経験ができました」と話し、受賞におどろいたような表情も見せていた。

現在は京都を拠点に映像制作をしているという南監督
現在は京都を拠点に映像制作をしているという南監督

一方で悔しさがにじむ場面もあるのが、プロの登竜門として多くの人間が頂点を目指すPFFならでは。審査員のとよた真帆が「コロナ禍ならではの作品」と評したアニメーション作品『MAHOROBA』の鈴木竜也監督は、PFFアワード2018の入選者で、「もっと上を目指していたので悔しくもあり…」と素直な感情を吐露し、会場では拍手が鈴木監督の奮闘をたたえた。

実直な言葉で悔しさを語った鈴木監督のスピーチには、拍手が集まった
実直な言葉で悔しさを語った鈴木監督のスピーチには、拍手が集まった
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