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「PFFアワード2022」グランプリ&準グランプリは共に“親友”タッグ!それぞれの絆が会場を沸かせる

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「PFFアワード2022」グランプリ&準グランプリは共に“親友”タッグ!それぞれの絆が会場を沸かせる


最大のサプライズとなったのが、準グランプリで2つ目の栄冠を獲得した『スケアリーフレンド』。審査員の菊地健雄監督より、「エンドクレジットがほとんど2人の名前だった」と突っ込まれると、音楽をアプリで作るなど、二人三脚で手探りの作業を繰り返した日々を振り返った。

主演の峰尾桜は、峰尾監督(中央)の妹
主演の峰尾桜は、峰尾監督(中央)の妹

壇上には、会場に来ていた本作の主演であり、峰尾宝監督の妹である峰尾桜が呼び込まれ、兄とニッコリ笑顔のツーショット。「小学生の時に撮ったので、演技が下手で恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべたが、「お兄ちゃん」と声をかけると、会場をこの日一番の温かい空気が包み込んだ。

2人の兄妹愛に、会場も温かい空気に包まれた
2人の兄妹愛に、会場も温かい空気に包まれた


栄えあるグランプリを獲得したのは、河野宏紀監督による『J005311』だ。審査委員長の三島有紀子監督は、PFFに応募した経験がない自分が審査委員長を務めたことを、「不思議」だと思っていたそうだが、本作を観て、「この作品を選ぶためにここにいるんだ、この世界に生きていてよかった」とさえ思ったと熱く語った。

河野監督に多くの質問を浴びせるなど、作品の魅力を熱弁した三島監督
河野監督に多くの質問を浴びせるなど、作品の魅力を熱弁した三島監督

「審査会で熱弁したのですが、満場一致でした」と圧倒的な支持を集めたという同作は、俳優でもある河野監督が、養成所で同期だった主演の野村一瑛と作り上げた、堂々93分の力作。河野監督は、時おり言葉に詰まるような素振りを見せつつも、「人生でもどん底な自分たち自身を救いたいと思って、野村と2人で作った映画です。評価してくださった皆さんには感謝しかないです」とまっすぐな目で会場を見渡した。

「自分たちのどん底の人生を救いたい」と主演の野村(右)と映画作りに邁進したという、河野監督
「自分たちのどん底の人生を救いたい」と主演の野村(右)と映画作りに邁進したという、河野監督

壇上に呼ばれた主演の野村は、涙をこらえながら「河野は人生で一番、僕を救ってくれた人。彼の強さがこの映画に表現されたんじゃないかと思っています。おめでとうございます」と、親友が勝ち取った栄誉を心底喜んでいるように見えた。

「PFFアワード2022」受賞結果は、以下の通り。(年齢は応募時のもの)

「PFFアワード2022」受賞結果

グランプリ
『J005311』 93分 監督:河野宏紀(26歳)

準グランプリ
『スケアリーフレンド』 76分 監督:峰尾 宝(23歳)、高橋直広(23歳)

審査員特別賞
『the Memory Lane』 25分 監督:宇治田 峻(27歳)
『MAHOROBA』 14分 監督:鈴木竜也(27歳)
『幽霊がいる家』 12分 監督:南 香好(31歳)

エンタテインメント賞(ホリプロ賞)
『水槽』 53分 監督:中里有希(20歳)

映画ファン賞(ぴあニスト賞)
『瀉血』 86分 監督:金子優太(20歳)

観客賞
『スケアリーフレンド』 76分 監督:峰尾 宝(23歳)、高橋直広(23歳)

取材・文/編集部

※高橋直広の「高」は、はしごだかが正式表記

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