“貞子”が歌舞伎を侵食!片岡愛之助、今井翼らが熱演する「Jホラーかぶき」の魅力

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“貞子”が歌舞伎を侵食!片岡愛之助、今井翼らが熱演する「Jホラーかぶき」の魅力

貞子DX』(10月28日公開)も控える日本を代表するホラーアイコン“貞子”と、日本の伝統的な怪談話「皿屋敷伝説」を題材にした歌舞伎の演目「播州皿屋敷」が時空を超えて交錯する「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷『時超輪廻古井処』」が、10月3日に大阪松竹座で開幕した。

【写真を見る】室町時代に生まれた皿屋敷伝説と、Jホラーを牽引する“貞子”が時空を超えて融合!
【写真を見る】室町時代に生まれた皿屋敷伝説と、Jホラーを牽引する“貞子”が時空を超えて融合![c]松竹 [c]KADOKAWA

腰元のお菊が家宝の皿を破り、手打ちにされ井戸に投げ捨てられることから端を発する「皿屋敷伝説」は、室町時代末期に生まれたとされており、兵庫県姫路を舞台にした「播州皿屋敷」や東京の麹町付近を舞台にした「番町皿屋敷」を通して広く伝播。歌舞伎のみならず浄瑠璃や講談、戯曲や落語、映画など様々なかたちで語り継がれるようになり、現在に至るまで全国各地に同様の怪談話が伝えられている。

一方、鈴木光司が1991年に発表した「リング」は、見ると一週間後に死ぬ“呪いのビデオ”をめぐるホラー小説。1998年に中田秀夫監督によって映画化されるや大ヒットを記録し、同時期に一世を風靡した「Jホラー」を代表する作品としてシリーズ化。ハリウッドでもリメイクされ、時代や文化の変化に順応しながら進化するなど、いまや日本の新たな怪談として世界中の誰もが知る存在に昇華した。

片岡愛之助演じる浅山鉄山が現代にタイムリープ!?
片岡愛之助演じる浅山鉄山が現代にタイムリープ!?[c]松竹 [c]KADOKAWA

どちらも“井戸”という共通点を持つ両作が融合を遂げた新作歌舞伎「時超輪廻古井処」は、現代の日本から始まる。大学教授で神官の室戸光(今井翼)とその助手の高松煌平(中村莟玉)は、あるVHSの映像を見た女性たちが井戸の中に消える事件を“貞子”による呪いだと推理。その事件の起きた場所は、浅山鉄山(片岡愛之助)の屋敷の跡地だった。

貞子の呪いを追う現代の大学教授、室戸光を演じるのは今井翼
貞子の呪いを追う現代の大学教授、室戸光を演じるのは今井翼[c]松竹 [c]KADOKAWA

そして物語の舞台は室町時代の播磨国へ移る。遊興三昧の細川巴之介(片岡愛之助/二役)の様子に近習の船瀬三平(中村莟玉/二役)は許嫁の腰元のお菊(中村壱太郎)と共に細川家の行く末を憂いていた。そこへ細川家の御家を乗っ取ろうと企む国家老の鉄山と、細川家の当主である勝元の正室のお春の方(中村壱太郎/二役)が現れ、鉄山の企みを知った三平は井戸に落とされてしまう。そして鉄山もまた、井戸の魔力によって現代にタイムリープしてしまう。


中村壱太郎が一人二役でお菊を演じる
中村壱太郎が一人二役でお菊を演じる[c]松竹 [c]KADOKAWA

一人二役を務める愛之助、壱太郎、莟玉の早替わりや、現代と室町時代を行き来しながら動く物語が大きな見どころとなる本作。鉄山がお菊に皿の紛失の濡れ衣を着せて殺してしまう緊迫感に満ちた責め場や、貞子の呪いを複製して邪魔者を抹殺しようと試みる鉄山に立ちはだかる室戸。歌舞伎ならではの演出と、現代的な要素が巧みに入り混じった息もつかせぬ展開は、普段歌舞伎を見たことがない人でも楽しめること間違いなしだ。

愛之助は公演に先立ち、「“貞子”のなにが怖いかを突き詰めると、人間の情や怨念、思いなんですよね。そういったところにも、『播州皿屋敷』と共通するところがある」と両作の親和性の高さを語り、「全世界で有名な貞子ですから、この作品もできれば海外公演をという夢もございます。まずはこの10月の大阪松竹座で千穐楽まで勤めさせていただき、皆で盛り上げていけたらと思います」と意気込んでいた。

「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷」は10月25日(火)まで上演
「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷」は10月25日(火)まで上演[c]松竹 [c]KADOKAWA


これまでとはまったく異なるアプローチで描かれる“貞子”の呪いを、是非とも目撃してほしい。「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷」は、大阪松竹座にて10月25日(火)まで上演される。

文/久保田 和馬


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