宮沢氷魚『僕愛』『君愛』舞台挨拶で「失敗から逃げちゃダメだ!」と決意を見せるも本音をポロリ
観る順番で結末が大きく変わる二つのラブストーリーと話題の映画『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』(ともに公開中)の公開記念舞台挨拶が8日、丸の内TOEIにて開催され、宮沢氷魚、橋本愛、蒔田彩珠、水野美紀、⻄岡徳馬が登壇した。
声優初挑戦の宮沢は声の芝居だけでなく、二役にも挑んだ。「並行世界の暦をどう演じ分けようかを常に考えながら演じていました」とアフレコを振り返った宮沢。『君愛』では蒔田と一緒にアフレコをし「生のやりとりはやっぱり違う」と感じたという。一方、『僕愛』では橋本の声が先に入っていたため「とても演じやすかったです」と『僕愛』『君愛』2作のアフレコ形式が違ったことを明かしていた。
西岡が演じる老年期の暦について宮沢は「めちゃくちゃかっこよくなっていて驚きました。すごく渋くてカッコよくて『いい歳の取り方をしたな』と思いました」とニッコリ。そんな宮沢が演じる暦について西岡は「すごく爽やかでした。僕にはあんな爽やかな時代があったかな…」と役と自分を重ね、若かりし頃を振り返ったことも明かしていた。橋本は老年期の和音を演じた余貴美子について「憧れの俳優さんなのでとてもうれしかったです。余さんの素敵なお人柄が声にも役にも滲み出ていました。(自分の演じる和音が)憧れの方につながっていくことに個人的に感動していました」と笑顔を浮かべながら語った。
『君愛』で蒔田演じる栞の母親、佐藤絃子役を演じた水野は「この画にはこの声しかありえない。本当に素敵でした」と栞役の蒔田の演技を大絶賛。自身が演じる絃子が虚質科学研究所の所長という役だったため「99%が説明台詞でした」と苦笑い。「本当にいっぱいいっぱいで…。息の吸い方だけでなく、途中からは声の出し方も分からなくなるほどアップアップでした」とアフレコの苦労を振り返っていた。
イベントではMCの質問にYES/NOで回答する「『YES』or『NO』運命の選択コーナー」も。「失敗や困難からは逃げる?逃げない?」という質問に西岡は「逃げない!」とキッパリ。「逃げなかったらいまがあるし、逃げてもきっとまた同じことをする。一度逃げたら逃げてばかりになるから、逃げない選択をします」と説明。橋本は「一回は自分でやらないと気が済まないタイプだから逃げません!」と回答。「並行世界がないのでいまは、お酒に逃げています。並行世界のほうが(お酒に逃げるより)楽かも」という水野のコメントは会場の笑いを誘っていた。蒔田は笑顔で「逃げます、逃げます」とアピール。「失敗は恥ずかしいし、忘れたいから逃げちゃいます」と話し、普段は「寝て忘れます!」と失敗を忘れる方法も明かしていた。失敗を引きずるタイプだという宮沢は「“もちろん”逃げます」とコメント。とにかく逃げて忘れたいとしながらも、「西岡さんの話を聞いて『逃げちゃダメだ!』と思いました。でも…やっぱり逃げちゃうと思います」と決意しきれない様子を見せていた。
「もし愛する人が85番目の並行世界の人と入れ替わっていても愛し続ける?」という質問に宮沢は「愛し続けたいです。変わってしまったところがあったとしてもベースは変わらないと信じています。そこを信じて愛し続けたいです」と宣言。もし変わっていたら嫌なところを訊かれた宮沢は「怒鳴られるのがダメなので、めちゃくちゃ怒る人になっていたら…嫌かも」と答えていた。「出会った時のこと、いままで過ごしてきた思い出が違うのは寂しい。愛し続けることはできないけれど、愛し始めることはできるかもしれない」と言葉を選びながらしっかりと説明する蒔田に大きな拍手が贈られる場面もあった。
「最近、大きな選択・決断をしたか」という質問に水野は「日々決断の連続です!」と回答。「雨の日にはカッパを着てママチャリに乗るか、傘をさして電車に乗るか、どちららにするかすごく悩みます。昨日はママチャリを選び、結果ずぶ濡れになりました」と昨日の出来事を振り返っていた。先月朝ドラが撮了し断捨離を決断したという宮沢は「1年使っていなかったものを断捨離しました。今、冷蔵庫には調味料とビールが2本だけしか入っていません。洋服もたくさん処分してすごくスッキリしたけれど、ちょっぴり寂しい感じもします。また新しく買おうかな…という気持ちにもなっています」と後悔はないものの、少し寂しさを感じる決断だったと説明した。
最後の挨拶で蒔田は「たくさん観て、いろいろな楽しみ方をしてもらえたらうれしいです」と呼びかけ、橋本は「自分の思いや願いがまわりまわって自分のもとに返ってくる、そんなことを感じる作品です」とコメント。宮沢は「辛いことも悲しいことも、いつかまわりまわって、僕たちを幸せにしてくれることを信じたい、そんな気持ちにさせてくれる作品です。一人でも多くの人に愛される作品になることを願っています。『僕愛』『君愛』をこれからもよろしくお願いします」と呼びかけ、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ
※西岡徳馬の「徳」の字は旧字体が正式表記