菊池風磨がパンイチ姿で逆ギレ!?千葉雄大らによるどこか憎めない沼なクズ男たち
千葉雄大らが絶妙な演技で表現する説得力抜群のクズ男たち
そのほかの男たちもクズぞろいで、OKAMOTO'Sのオカモトレイジが演じた泰造は、ノリだけで生きているフリーター。彼女の美和(伊藤)が体調不良になると「風邪が感染るのとか全然嫌じゃないからね」と虚勢を張りつつも、彼女のいない隙に除菌スプレーをあらゆる場所にかけるような実は繊細な男。大事な場面でテンパってしまうなど、悪い人間ではないがなにかと残念な器の小ささを、オカモトは調子のいい時との演技のコントラストで巧みに表現している。
三浦貴大が演じた慎太郎は、過去の栄光を忘れられない、子役時代がピークの落ちぶれた役者。風俗嬢の七瀬(黒川)が映画のことを話せば「素人が偉そうに」とマウントを取るような陰険とした性格の持ち主だ。そのうえ、エキストラ役ばかりの自分の現状を恥ずかしく思い、出演作について詮索されるのを嫌うなど自己肯定感は低いがプライドは高い、とにかく面倒くさいタイプ、しかし、そこは三浦の郷愁を誘う絶妙な演技により、どこか放って置けないようなキャラクターになっている。
そして千葉雄大が演じた富は、父の経営する会社で働くボンボン。ゲイであり、趣里演じる子役上がりのタレントの鈴と友人としてルームシェアをしているが、鈴の好意に気付きながらたぶらかすような小悪魔的な側面を持っている。
知り合った男の悪口を矢継ぎ早に語ったり、ケンカになれば自分勝手な計画を開き直ってブチまけたりとその性格は自分本位。千葉はそんなキャラクター像をかわいらしさと毒々しい魅力で表情豊かに演じてみせた。
クズでありながらもどこか抗えない魅力を持つ4人の男たち。沼にハマってしまうようなその姿をぜひスクリーンで確認してほしい。
文/サンクレイオ翼
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