恐怖映画の美学をアートワークから探究!黒沢清も登壇の「文化庁映画週間」シンポジウムはホラーファン必見
毎年多くの映画ファンで賑わう「東京国際映画祭」。その期間中に行われている「文化庁映画週間」が、今年も10月24日(月)から10月30日(日)まで開催される。日本映画の振興と発展を目的に様々な取り組みが行われるこの企画では、優れた文化記録映画や日本映画の功労者への顕彰に加え、ゲストを招いたシンポジウムが行われる。
2004年に始まった「文化庁映画週間」も今年で19回目。そのなかで催されるシンポジウムではこれまで、「国際共同製作」や「コロナ禍を経た映画製作」など、その年その年の日本映画界を取り巻く興味深いテーマが選択されてきた。昨年は「1990年代日本映画から現代への流れ」と称し、日本映画が活況を取り戻した1990年代から現在に至るまでの日本映画の魅力が語られていたった。
そして今年のテーマは「恐怖映画の美しき世界」。12月13日(火)から2023年3月26日(日)まで国立映画アーカイブで行われる展示企画「ポスターでみる映画史 Part4 恐怖映画の世界」と連動し、海外ホラーから1990年代に一世を風靡したJホラー作品など、洋邦問わず恐怖映画がもつ“美しき世界”について2つの観点から探究。登壇者それぞれの視点からトークを展開する。
第1部は「アートワークで魅せる美しき映画」と題して、様々な映画ビジュアルを手掛けてきたデザイナーが恐怖映画のアートワークの魅力へと迫る。登壇するのは『ミッドサマー』(19)や『ラストナイト・イン・ソーホー』(21)などのグラフィックを手掛けたアートディレクター・グラフィックデザイナーの大島依提亜と、「恐怖の村」シリーズなどの広告制作を務めたアートディレクター・グラフィックデザイナーの葛西健一の2名。
そして第2部では「世界に伝播するジャパニーズホラーの美学」のテーマで、恐怖映画界における日本のホラー作品の位置付けと、強みを探っていく。こちらでは『回路』(01)をはじめJホラー作品を数多く手掛け国際的にも評価の高い黒沢清監督と、映画監督で立教大学現代心理学部映像身体学科教授の篠崎誠、そしてジャンル映画を数多く紹介してきたサンセバスチャン国際映画祭のディレクター・ジェネラルのホセ=ルイス・レボルディノスの3名が登壇。どんな話が飛びだすのか注目だ。
ここでしか聞くことができない貴重なトークで、きっと恐怖映画の新たな一面を発見することになるだろう。「第19回文化庁映画週間」シンポジウム「恐怖映画の美しき世界」は10月28日(金)16時より、東京ミッドタウン日比谷BASE Qにて開催。入場無料だが事前予約制(定員になり次第、締切)となっているので、興味のある方は公式ホームページからお早めに参加申し込みを!
文/久保田 和馬