橋本愛×是枝裕和、ジュリー・テイモア×行定勲が対談!「第35回東京国際映画祭」注目のトークセッションをチェック
いよいよ10月24日(月)に開幕する第35回東京国際映画祭(TIFF)。話題の最新作や映画ファン必見の注目作の上映はもちろん、映画人たちによるここでしか聞くことができない貴重なトークを楽しむのも映画祭の醍醐味のひとつ。今年は世界各国・地域から来日したゲストや日本の映画人を招き、様々な視点から映画を取り巻く“いま”を見つめる企画が盛りだくさん。そこで本稿では、今年のTIFFで行われる注目のトークセッションを紹介していこう。
3年目を迎えた「交流ラウンジ」が、よりグローバルに!
まずは、国際交流基金の共催プログラムの一環として今年で3年目を迎える「国際交流基金×東京国際映画祭 co-present 交流ラウンジ」。昨年までは「アジア交流ラウンジ」と題し、アジアの映画人と日本の映画人がオンラインでトークを繰り広げていたが、今年は海外ゲストの招へいが本格的に再開。アジアに限らず世界各国・地域の映画人も登壇し、これまで以上に活発なトークが繰り広げられていく。
今年の「交流ラウンジ」は全部で5回行われる。本年度のコンペティション部門に出品されている『輝かしき灰』を手掛けたベトナムのブイ・タック・チュエン監督と、『海辺の彼女たち』(20)で第3回大島渚賞を受賞した藤元明緒監督。監督デビュー30周年を迎え、本年度のワールド・フォーカス部門で特集が組まれる台湾のツァイ・ミンリャン監督と、『LOVE LIFE』(公開中)がヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された深田晃司監督。
そして2年連続でフェスティバルアンバサダーを務める橋本愛と、交流ラウンジの検討会議メンバーも務める是枝裕和監督。本年度のコンペティション部門審査委員長を務めるジュリー・テイモアと、Amazon Prime Videoテイクワン賞の審査委員長を務める行定勲監督が、それぞれ対面で語り合う。さらにコンペティション部門で上映される『カイマック』を手掛けた北マケドニアのミルチョ・マンチェフスキ監督によるマスタークラスも予定されている。
また関連企画として、第94回アカデミー賞で日本映画初の作品賞候補となった『ドライブ・マイ・カー』(21)の山本晃久プロデューサーを迎えた「特別セッション 〜映画プロデューサーの仕事とは〜」も実施。これらのトークは東京国際映画祭YouTubeチャンネルにて配信(録画)される。
是枝裕和監督と松岡茉優が映画界の“女性たち”について意見を交わす!
2015年のカンヌ国際映画祭で、映画界の表舞台と裏側で活躍する女性たちに光を当てることを目的として発足した「ウーマン・イン・モーション」。それぞれの職業における女性の立場について意見を交換する機会を提供し、芸術分野における女性の地位と評価について考察していくプログラムとして、現在は映画のみならず写真やアート、音楽など様々な分野に拡大している。
東京国際映画祭では3年ぶりに公式プログラムとして開催される本プログラム。前回は女優の寺島しのぶと映画監督・写真家の蜷川実花、アーティストのスプツニ子!が登壇したが、今年は第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた『万引き家族』(18)の是枝監督と、同作にも出演していた松岡茉優の2名が登壇。映画監督と俳優という異なる立場から、日本映画界における女性の役割や課題、未来について語り合っていく。
映画をより深く楽しむ、トークセッションが盛りだくさん!
ほかにも、石川慶監督とプロデューサーや映画監督など幅広く活躍する川村元気が、日本映画の海外展開について語り合う「TIFFスペシャルトークセッション 『ある男』×『百花』日本映画、その海外での可能性」。同じく川村と、国内外で活躍する美術監督の種田陽平が登壇する「TIFFスペシャルトークセッション『街と映画』TIFF×STORY STUDY」など、日本で行われる国際映画祭ならではの興味深いトークセッションも見逃せない。
映画祭全体のラインナップやトークセッションの詳細などは、東京国際映画祭の公式ホームページをチェックしてほしい。ポストコロナに向けた「飛躍」をテーマに、映画をより深く楽しむ企画が目白押しの第35回東京国際映画祭。是非とも足を運んでみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬