松村北斗、神木隆之介に声優のコツを質問!新海誠監督「答えを知ることに近い」とツッコミ

イベント

松村北斗、神木隆之介に声優のコツを質問!新海誠監督「答えを知ることに近い」とツッコミ

新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』(11月11日公開)の完成披露試写会が25日、東京国際フォーラムにて開催。試写会後の舞台挨拶に原菜乃華、松村北斗(SixTONES)、染谷将太伊藤沙莉、花瀬琴音、野田洋次郎(RADWIMPS)、新海監督が登壇した。

【写真を見る】オーディションでヒロインに抜擢された原菜乃華
【写真を見る】オーディションでヒロインに抜擢された原菜乃華

本作で描かれるのは、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる”扉”を閉めていく少女、すずめの解放と成長の物語。完成披露試写会には約5000人が参加。本編上映後にはスタンディングオベーションが起こり、鳴り止まない拍手のなか、新海監督、本作のヒロイン、岩戸鈴芽(すずめ)役の原、閉じ師の青年、草太役の松村がステージに姿を見せる。その後、染谷、野田、伊藤、花瀬もステージ中央に集まり、会場内のランウェイを歩く形で観客に感謝の気持ちを伝えた。

重いところもあるけれど、たくさん笑ってほしい映画だと語った
重いところもあるけれど、たくさん笑ってほしい映画だと語った

新海監督が「僕にとって自信が持てるすずめになりました」と胸を張り、「みなさん、いかがでしたか?」と観客に問いかけると、会場は大きな拍手に包まれる。すずめを演じた原は「まだ(作品を)冷静には観られなくてうまく言葉にできないのですが、アフレコ中は、自分で人生を切り開いていくすずめちゃんの強さに私自身が助けてもらっていました」とニッコリ。さらに「自分が憧れるような女の子に声をあてさせていただくのは、すごくプレッシャーでしたがとても光栄でした」とアフレコ時の心境を振り返った。原のこのコメントに新海監督は「菜乃華さんがいてくれたから、すずめという役が完成したんだと思います」と満面の笑みを浮かべ、原の声に出会えたことを感謝していた。

劇場で予告を観ていた作品に出演するとは思わなかったと明かした
劇場で予告を観ていた作品に出演するとは思わなかったと明かした

染谷、伊藤はオーディションではなく新海監督からのオファーで出演が決定した。新海監督は「二人の声が大好きです」と話し、「染谷さんは大先輩である細田守監督作品に、伊藤さんは湯浅政明監督作品に出演し、声だけで世界を作り出しているという印象があったので」とオファー理由を明かす。染谷も伊藤も映画館で予告を観ていた作品に自分が出演するとは夢にも思わなかったと振り返る。染谷は「台本から(新海監督)のものすごい思いが伝わってきて、作品を傷つけちゃいけないという緊張がありました」と明かすも、いざ、アフレコが始まると緊張を感じることなく、楽しく豊かな時間を一緒に過ごすことができたと語った。新海監督の企画書を読んだという伊藤は「すごく気持ちが伝わるものだったので、これ(企画書)を世に出してほしいと思いました」と微笑みながら、「アフレコでは役柄の説明もディレクションもとても丁寧で、細かく優しく教えていただき、新海誠を感じられたひとときでした」と幸せに満ちた表情を浮かべながら感謝を伝えていた。

談笑しながらランウェイを歩く伊藤沙莉と花瀬琴音
談笑しながらランウェイを歩く伊藤沙莉と花瀬琴音

この日、松村演じる草太の友人、芹澤朋也を神木隆之介が演じることが解禁となった。神木は新海監督の大ヒット作『君の名は。』(16)、『天気の子』(19)に出演している。松村と神木が共演作『ホリック xxxHOLiC』(22)の番宣などでメディアに登場する姿を観て「友人役に!」と思い立ったと明かした新海監督。しかし神木からはオファーを一度断られたそうで、「『僕は芹澤じゃないと思います』という回答でした。『いつでも出演の準備はできています』と言っていたのに、このキャラクターは自分ではないような気がするって…」と苦笑い。「主役しかやってくれないのかなと思いました」とジョーク混じりでコメントした新海監督だが、神木は過去に演じた立花瀧のイメージが芹澤で上書きされてしまうことを気にしていたという。新海監督は「聞いた人が『神木くんじゃないんじゃないか』と感じるようなキャラクターになることが、芹澤にとっていちばんいいことなのでは?」と説明し、もう一度オファーをして快諾に至ったと振り返った。「アフレコはノリノリでした。振り返ると、神木くん以外の芹澤はありえないと思いました」と満足の表情を浮かべていた。

椅子の姿になった草太が”人間らしくて”好きなのだそう
椅子の姿になった草太が”人間らしくて”好きなのだそう

松村はオーディション前に神木に演じ方のコツを尋ねたと告白。すると新海監督は「それを神木くんに訊くのは、答えを知ることに近いです」とニヤリ。松村も「ちょっとチートかなとは思ったのですが…」と笑顔で返していた。そんな松村が演じる草太は、ある出来事をきっかけに「椅子」に姿を変えられてしまうという青年。見た目は人間ではない役どころについて松村は「椅子になってからの草太のほうが人間らしく感じられて好きです」と微笑み、「アフレコをしているうちに愛情と愛着が湧いてきました」と懐かしそうに語っていた。

つい5日前まで作業は続いていたという
つい5日前まで作業は続いていたという

最後の挨拶で松村は「(作品を観て)グッと来るものがあったら、それを誰かに伝えてください。(作品を)みなさんで愛していってください。よろしくお願いします」と呼びかけ、原は「たくさんのスタッフ、キャストのみなさんが命を削り、ひたむきに制作してくださった積み重ねで出来上がった作品です。観れば観るほどいろいろなことを肌で感じてもらえる素晴らしい作品になりました。明日を生きるみなさんの糧になるような作品になると心から信じています」と語り、イベントを締めくくった。

取材・文/タナカシノブ

作品情報へ

関連作品