テーマは「喪失」…監督らが『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』物語の一端を明かす!
マーベル・スタジオの劇場公開最新作『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が11月11日(金)に日米同時公開される。このたび、前作に引き続き、本作でも監督を務めるライアン・クーグラーや、スタッフの熱いコメントが到着し、設定の一部が明かされた。
本作は、スーパーヒーロー映画としては初となるアカデミー賞作品賞にノミネートされた『ブラックパンサー』(18)からつながる物語。国王とヒーロー、2つの顔を持つティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)を失ったワカンダ国に海の帝国による脅威が迫る。ティ・チャラの妹で天才科学者のシュリ(レティーシャ・ライト)たちは、この危機に立ち向かっていく。
本作を手掛けるのは、前作でボーズマンとともに『ブラックパンサー』を世界中で社会現象を巻き起こす作品に仕上げ、アメリカ・タイム紙が選ぶ「世界で最も影響力のある人物100人」にも選ばれた、ライアン・クーグラー監督。共同脚本も務めるクーグラー監督は、ボーズマンの訃報を受け、新たに作り上げた本作の物語について「(ティ・チャラの母)ラモンダは、ティ・チャラが亡くなってから1年が経ったいまもなお、シュリの心の傷が癒えていないことに気づきます。シュリは健全な形で一歩前に踏み出せずにいるのです」とコメント。
国王ティ・チャラを失ってから1年が経ったワカンダを舞台に、その喪失感がぬぐえずにいるシュリが物語のキーとなりそうだ。さらにクーグラー監督は「彼女たちは癒しを得るため、都会やテクノロジーから一旦離れて、気を散らされるものがなにもないところに身を置き、喪に服する儀式と呼べるものを行なっています。ですが、そんな折に、海の帝国の王であるネイモアが現れるのです」と、本作の起点について語っている。はたしてネイモアの目的とは?
クーグラー監督を含め、本作の物語を考え始めたフィルムメーカーたちは、新たなテーマとして、「人はどうやって深い悲しみを耐え、喪失をどう乗り越えるのだろう?」というところに注目したという。
前作に続いて本作でもプロデューサーを務めるのネイト・ムーアは「ティ・チャラを亡くしてしまった世界で前進し続けようとするワカンダのストーリーを語るうえで、彼に触れたすべての人々にとって、彼の喪失が意味するものはなんなのかを探究していかなければいけなかった。そして、その影響を誰よりも大きく感じている人物は、間違いなく彼の妹、シュリなのです」と語っている。
ティ・チャラを失ったワカンダの人々が、その後の人生をどう歩んでいくのか。その心情は、ボーズマンの死を経験したファンや、観客の心情ともリンクするもので、このテーマが本編でどのように描かれていくのかが、大いに気になる。
ティ・チャラの想いを受け継ぎ、ワカンダの危機に立ち向かうのは誰なのか。国王のいない、ヒーローのいないワカンダで、彼らが戦い、見つけたものとは。ぜひ大スクリーンで確認していただきたい。
文/山崎伸子