King Gnu井口理、初主演映画『ひとりぼっちじゃない』共演者から「真剣な方」と言われて照れ笑い
King Gnuの井口理が映画初主演を務めた『ひとりぼっちじゃない』が、第35回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門に選出され、10月28日に角川シネマ有楽町でワールドプレミアが開催。主演の井口、共演の馬場ふみか、河合優実、伊藤ちひろ監督が舞台挨拶に登壇した。井口は女優陣から、真摯な姿勢を称えられ、照れ笑いを浮かべた。
本作は、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)などの監督、行定勲がプロデュースし、同作などの脚本家、伊藤ちひろが自らの小説を初監督した注目作。井口は不器用で繊細な恋に悩む歯科医ススメ役を演じた。
井口監督は「先に原作を読ませていただき、僕が普段感じている自意識やコミュニケーションの難しさを、ススメと同じように感じていたので、演じるうえで自分なりに表現できるんじゃないかと思って参加させていただきました」と語った。
馬場は「私は決まる前に、最初に行定プロデューサーと伊藤監督とお会いして、台本を読む機会をいただきました。それで役についての話や雑談をしていくなかで、オファーをいただきました。でも、どうやって演じたらいいのかまったくわからないような非常に難しい役で、いままで演じたことがないような役柄だったので、ぜひ挑戦したいと思い、受けさせていただきました」と当時を振り返った。
河合は「毎回、お仕事をしていくなかで、脚本をもらって、すべてが自分の感性にバチッと当てはまることはないのですが、今回は数行読んで『これはおもしろい!』と思えました。珍しいことだと思うんですが、観ていただけたら感じていただけると思うけど、いちいち人と違う表現を選んでいってるなと。そこにまず惹かれて、やる気が湧きました」と意欲的に臨んだとか。
自身の原作小説で映画監督デビューを果たした伊藤監督は「この小説を書いている時、まさか自分が映画監督をやるなんてことは思ってもいなかったんです。でも、いまは小説を売るのが大変な時代で、編集者に『映画化しないんですか?』と言われて。私は普段、脚本家なので、(映画化を)期待されているのもずっと感じていました。でも、監督する機会をいただいてうれしかったし、しかも大好きなキャスト陣とやれてうれしかったです」と喜びを口にした。
役作りについて井口は「原作のススメは日記形式で描かれているので、映画の撮影前に日記を書きました。普段は自分で言葉をはっきり表すタイプの人間ではないのですが、そういう形でリンクしていった感じです」と語った。
“役者”井口理の印象について尋ねられた馬場は「やっぱりもともと知っていたので…」と考えていると、河合が「真剣な方だなと思いました」とキッパリ。井口は「あまりそんなイメージないんだからやめてよ。高感度が上がっちゃうよ」と照れた。
河合は「上げて去ります」と笑顔を見せると、馬場も「普段はKing Gnuの井口さんとして見てる姿とは本当に違う“役者”井口理として、1つ1つのシーンや台詞に向き合ってる姿を見て、私もそうあらねばと思いました」と襟を正したそう。井口は「うれしいです」と満面の笑みを見せた。
第35回東京国際映画祭は、10月24日~11月2日(水)の10日間にわたり、シネスイッチ銀座、丸の内TOEI、角川シネマ有楽町、TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ日比谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、丸の内ピカデリー、有楽町よみうりホール、東京ミッドタウン日比谷ほかで開催中。
取材・文/山崎伸子