フランソワ・オゾンが“安楽死”をテーマに描く『すべてうまくいきますように』2023年2月に公開決定

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フランソワ・オゾンが“安楽死”をテーマに描く『すべてうまくいきますように』2023年2月に公開決定

フランスの名匠フランソワ・オゾン監督の新作『すべてうまくいきますように』が、2023年2月3日(金)より日本公開されることが決定。あわせて、場面写真が解禁となった。

本作は、オゾン監督がフランスの国民的俳優ソフィー・マルソーと初タッグを組み、”安楽死”を巡る父娘の葛藤を描いたフランス映画。『スイミング・プール』(03)の脚本家、エマニュエル・ベルンエイムの自伝的小説をもとに、安楽死を望む父親に振り回される娘の葛藤を描いたドラマとなっている。

監督を務めるオゾンは、『まぼろし』(00)や『8人の女たち』(02)、『Summer of 85』(20)など、新作を発表するたびに異なるテーマで観る者を圧倒してきた。すべての人にいつか必ず訪れる”死”をテーマにしながらも、ユーモアを忘れない会話劇とスタイリッシュな映像で、家族の愛とはなにか、人生とはなにかを軽やかに問いかける、涙と笑いあふれる感動のドラマを完成させている。

主演は、『ラ・ブーム』(80)の世界的大ヒットでスーパーアイドルとなり、いまなおフランスの国民的俳優として愛され続けるマルソー。本音しか言わない父の言動に時には傷つきながらも、父を人として敬愛する娘、エマニュエル役を情感豊かに演じた。深刻な時にも父から受け継いだユーモアを忘れないエマニュエルの愛らしさが、マルソーの魅力でより一層引き立つ。

父のアンドレには、フランソワ・トリュフォー監督の『私のように美しい娘』(72)やエリック・ロメール監督の『美しき結婚』(82)で知られる、フランス映画の重鎮、アンドレ・デュソリエ。毒舌、頑固、ワガママ、いじわる、そのすべてのマイナスカードを魅力へと変貌させるアンドレというキャラクターを見事に体現している。母のクロードには、『さざなみ』(15)でアカデミー賞にノミネートされたシャーロット・ランプリング。オゾン監督とは、『まぼろし』、『スイミング・プール』、『17歳』(13)でタッグを組み、作品に深みと品格を与えてきた。

また、妹のパスカルには、『17歳』でセザール賞にノミネートされたジェラルディーヌ・ペラス。父と姉の絆に複雑な想いを抱き嫉妬することもあるが、こうと決めたら真っ直ぐな姉を慕う健気な妹を演じ、美しい姉妹愛で観る者をいやしてくれる。さらに、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(72)や『マリア・ブラウンの結婚』(79)で知られるドイツ人俳優ハンナ・シグラが、安楽死を支援する協会から派遣されてくる、怪しげなスイス人女性を演じている。


最期の日を決めた父と娘たちの前に、愛や倫理、法律や宗教など様々な理由から反対する者たちが立ちはだかる。はたして父は決行するのか、考えを変えるのか、誰かが止めるのか、あるいは安楽死を禁ずるフランスの法律に止められるのか。サスペンスフルなストーリーテリングを得意とするオゾンが、緊迫感に満ちた展開の先に用意した、想像を裏切る結末とは?名匠が描く物語に期待しよう。

文/サンクレイオ翼

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