現代社会にも刺さる、瀬戸内寂聴の波瀾万丈な“生き様”!密着17年のドキュメンタリー映画のDVDが発売中
2021年11月9日に惜しまれつつも99歳で亡くなった、作家で僧侶の瀬戸内寂聴。その生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』のDVDが、11月11日に発売された。
NHKスペシャル「いのち 瀬戸内寂聴 密着500日」でATP賞ドキュメンタリー部門最優秀賞を受賞した中村裕監督が、瀬戸内に17年間密着取材をして作りあげた本作。日常的に互いにすべてを報告し合うなど、長年寄り添い続けた中村だからこそ描ける“誰も知らない瀬戸内寂聴”の本音や金言の数々が収められている。
1950年代後半に作家デビューを飾り、駆け落ちや不倫、三角関係など自らの体験を私小説として次々と発表。世間のバッシングにさらされながらも不動の地位を確立していった瀬戸内は、51歳で出家。恋心を持ち続け、女性であることを忘れずに人生を楽しむ。そんな彼女の波瀾万丈の生き様は、現代を生きる多くの人々の心をつかんで離さない。
没後1年が経過した現在、1960年代の瀬戸内をモデルに書かれた井上荒野の小説を寺島しのぶ主演で映画化した『あちらにいる鬼』(公開中)も公開されるなど、改めて瀬戸内の生き様に注目が寄せられている。不寛容な空気が充満する現代社会で、いかに生き、老いていけばいいのか。本作を通して瀬戸内寂聴という人間を深く知れば、よりよく生きるためのヒントを得られることだろう。
文/久保田 和馬
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