ジェームズ・マカヴォイ、東京コミコンに降臨!「X-MEN」今後への期待、『ペネロピ』の思い出…真摯なトークで会場を魅了
「X-MEN」シリーズで若きプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア役を演じたジェームズ・マカヴォイが11月26日、千葉県の幕張メッセで開催中の「東京コミックコンベンション2022」(略称:東京コミコン2022)のステージイベントに登壇した。
「X-MEN」シリーズだけでなく、C・S・ルイスの小説を映画化したファンタジー『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』(05)、M.ナイト・シャマラン監督作『スプリット』(17)、スティーヴン・キング原作の実写映画化『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(19)など、数々の話題作で唯一無二の存在感を発揮してきたマカヴォイ。
彼を待ち受ける会場は熱気ムンムンで、マカヴォイが姿を現すと大きな拍手が沸き起こった。マカヴォイは「みんなと時間を共有できることが幸せです。アリガトウ」と挨拶。マカヴォイがコミコンに参加するのは極めて珍しいこととあって、司会を務めた映画ライターの杉山すぴ豊から「なぜ今回『東京コミコン』に参加してくれたんですか?」と聞かれると、マカヴォイは「日本はすばらしい国。とても礼儀正しくて優しくて、来るたびにいつもすばらしい経験をさせてくれる。コミコンってあまり出たことがなかったけれど、コミコンをもっと知るには日本に来るのがいいかなと思ったんだ」と語り、日本のファンを喜ばせていた。
「X-MEN」シリーズでは、作品ごとにいろいろなチャールズ・エグゼビアの一面を見せてきた。とりわけマカヴォイが好きなのは、『X-MEN:フューチャー&パスト』(14)のチャールズだという。「一番楽しく、興味深かった」と切りだし、「いろいろな苦悩を抱えたチャールズを演じることができた。薬に溺れるシーンもあったり、大きな決断に迫られたりもした。ヒーローものでありながら人間味を表現できることができた。またユーモアを見せることもできて、ウルヴァリンに『どこかに行っちまえ』というシーンはとても気持ちよかった」と笑い、会場も大盛り上がり。
ディズニーがフォックスを買収したことによって、「X-MEN」や「デッドプール」もMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)とのクロスオーバーが可能になった。杉山から「ジェームズ・マカヴォイ版のプロフェッサーXが、いつかMCUに出ると期待してもいいですか?」と聞かれると、マカヴォイは「わからない」と笑顔を浮かべながら「お金次第かな?」とお茶目ににっこり。「チャールズという役を通して、たくさんのベストフレンドができた。僕は前進していきたいタイプで、後退するのは好きじゃない。役者としては10年前と10年後で、また違う自分を見せられるようにしたい」とコメント。「ただ『X-MEN』やチャールズのファンとして、期待してくれるならやりたい。それはマーベルが決めること。マーベルを信じているので、その判断に委ねたい」と考えを明かした。
「演技をすることがとても楽しい。どこの国の作品でも、おもしろい脚本があって、5分前の自分と違う自分を表現できるならば、なんでも挑戦したい」と情熱をあふれさせたマカヴォイ。24の人格を持つ男に扮した『スプリット』について、「僕は演技をするのがとても好きなので、24人にもなれるなんて最高だった。なぜ生まれてきたのかを問うような、大事な作品だった」と振り返り、ブタ鼻を持って生まれた女の子に扮したクリスティーナ・リッチと共演した『ペネロピ』(06)については、「外見を気にすることについて、とても大切なメッセージが込められている映画。『母娘で一緒に観た』と言ってくれるファンもたくさんいて、この映画に出られたことがすごく光栄でうれしい」と喜びをかみ締めるなど、あらゆる出演作で得た経験を回顧。ユーモアを交えながら真摯に胸の内を語るマカヴォイに、会場も魅了されっぱなしだった。
取材・文/成田おり枝