「東京コミコン」にて古川琴音の主演がサプライズ発表!「日本ホラー映画大賞」大賞作品『みなに幸あれ』が制作中
千葉県の幕張メッセで開催中の「東京コミックコンベンション2022」(略称:東京コミコン2022)で11月26日、東京コミコンと映画雑誌「DVD&動画配信でーた」のコラボ企画ステージ「東京“怖”コン」が行われ、清水崇監督が登壇。清水監督が選考委員長を務める「日本ホラー映画大賞」の初大賞受賞作品『みなに幸あれ』が、古川琴音を主演に迎えて長編商業映画にスケールアップした作品として鋭意制作中であることが明かされた。
2021年に第1回が開催された「日本ホラー映画大賞」は、ホラージャンルの新たな才能の発掘と支援を目的とした取り組みで、大賞を受賞した監督には商業映画デビューが約束されている。第1回で大賞を受賞したのが下津優太監督の短編『みなに幸あれ』。見事に商業映画デビューを勝ち取った下津監督は現在、自身の短編を長編へとグレードアップさせた同名タイトルの映画を制作中とのこと。清水監督は本作の総合プロデュースを手掛ける。
イベントに参加した「日本ホラー映画大賞」の小林剛プロデューサーによると、本作は「先週クランクアップしたばかり」だそうで、公開は2023年を目指している。司会を務めた映画ライターの杉山すぴ豊から「朝ドラのタイトルのよう」と言われると、清水監督は「あえて、下津監督がそういうタイトルで狙っている」とコメント。客席には下津監督も駆けつけており、観客に立ち上がって挨拶をするひと幕もあった。清水監督は「皆さん、いまのうちにサインをもらっておいたほうがいい」と今後の下津監督の成長を予言しつつ、「下津監督はすごく新しいスタイル。絵もきれいで、オシャレなホラーを得意としている。皆さん、楽しみにしてほしい」と呼びかけていた。
そして、ステージ上で本作の主演を務めるとサプライズ発表されたのは、映画『偶然と想像』(21)やNHK連続テレビ小説「エール」、ドラマ「コントが始まる」など話題作に次々出演している古川琴音。ステージには古川からのビデオメッセージが到着した。
古川は「いま『みなに幸あれ』の撮影現場にいます」と切りだし、「今回、映画の主人公、ある家族の“孫”役を演じることになりました。本作は、誰かの犠牲の上に誰かの幸せは成り立っているのだといったことをテーマに、人間の幸せの核心に迫る、新感覚の社会派ホラーです。私が演じる主人公は、そんな社会の仕組みに抗おうともがきますが、そこに逃れられない恐怖が迫ってきます。映画を観ている間はもちろん、観終わった後も、人間そのものの存在が怖くなるような居心地の悪さ、根源的な新しい恐怖を感じてもらえると思います」とアピールしていた。このメッセージを見た清水監督は、「下津監督は、本作が初商業映画。古川琴音さんを主演に迎えられるなんてすごくうらやましい」と感心しきりだった。
取材・文/成田おり枝