内田真礼と榎木淳弥が考える“破壊神”ブラックアダムの魅力は真反対?「強さじゃなくてかわいさ!」「容赦ない攻撃的な面がおもしろい」
「ブラックアダムは、あんなに大きいのに赤ちゃんみたいに思えてかわいいんですよ!」(内田)
――今回、吹替えをするうえで気をつけた点はありますか?
内田「アトム・スマッシャーとの関係性で、サイクロンがあまりお姉さんにならないように、とディレクションいただきました。今後、関係性ができあがっていくにあたって、サイクロンが引っ張っていくのではなく同じ目線にいてほしいということだったので、話し方に気をつけて演じました」
榎木「僕はテストの時に少年っぽく声を出していたんですが、アトム役のノア・センティネオさんは割と体格がよくて大人っぽく演じていたので、ちょっと声のトーンを落としてやや太めの声を意識しました。あとは、サイクロンといる時にアトムが、恋愛的な意味のいいことを言おうとするシーンがあるんですけど、いろいろなパターンを録ったので、どんなセリフになっているかを劇場で楽しんでほしいです」
――ヒーロー作品好きだという内田さんも、ブラックアダムはお気に入りのキャラクターとだと伺いましたが、特にどういった点が魅力なのでしょうか?
内田「ブラックアダムは5000年の眠りから目覚めて、久しぶりに世の中に出てきたからなかなか現代の街になじめないんですよね。教えられてやってみるんですけど、何度やってもすぐ壁を破壊しちゃうとか不器用すぎて、あんなに大きいのに赤ちゃんみたいに思えてかわいいんですよ!しかも彼にあれこれ教えてあげているのが10代の少年で、その関係性もおもしろい(笑)。キュンポイントが詰まっていました」
――ブラックアダムの魅力はかっこよさだけじゃないんですね。
内田「もちろん強いですし、意外な優しさも持っている。でも彼のよさは強さじゃなくてかわいさ!そのギャップ萌えの部分を見てほしいです。動いているブラックアダムを観て初めて実感する魅力なので、ぜひ彼のかわいいところを見つけてみてください」
――邪魔者をぶっ飛ばしまくるブラックアダムがとにかく強くて、迫力満点のアクションも大きな見どころですね。
榎木「物語の冒頭、ブラックアダムが敵の口の中に爆弾を突っ込むシーンが最高です。その一連のシーンが好きで、音楽もおもしろいですし、劇場のいい音響で観たらすごい迫力を感じられるんじゃないかと思います。ブラックアダムの容赦ない攻撃的な面がおもしろいんですよね」
「ホークマンとドクター・フェイトの歳の差がある友情はエモいポイント」(榎木)
――サイクロンとアトム・スマッシャーのほか、JSAのリーダーで空の王者ホークマン、ピアース・ブロスナン演じる未来が見える魔術師ドクター・フェイト、という個性あふれる4人のJSAメンバーの絆も感動的でした。
榎木「ホークマンとドクター・フェイトからは、長く一緒に戦ってきたんだろうなという関係性が見えてくるんですよね。彼らの歳の差がある友情はエモいポイントだと思います」
内田「私はJSAって学校みたいだなと思っていて。ドクター・フェイトが校長で、中間管理職のホークマンがいて、私たちは新人の先生みたいな感じ。それで、私たちはすぐ怒るホークマンをちょっと鬱陶しいと思っている(笑)」
榎木「たしかに。サイクロンはあんまり怒られてなかったけど、アトムだけ『覚悟しとけ』って何回か怒られてますからね(笑)」
――本作をきっかけに、DCユニバースはほかの物語とつながるマルチバース化が本格始動するといわれています。そんな記念すべき作品である『ブラックアダム』を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
榎木「単体で観てもすごくわかりやすく楽しい作品になっています。ここからDCユニバースが広がっていくと思うので、そのきっかけとしてぜひ劇場でご覧ください。親子の物語でもあるので、大人からお子様までご家族で楽しんでいただけると思います」
内田「DCのヒーローはひと筋縄にいかない魅力があると思いますが、今作においてもひと筋縄にいかないおもしろさがあります。ブラックアダムをはじめ、推しを決めるのが難しいくらい、どのキャラクターも魅力的。JSAの面々の活躍もぜひ期待して観ていただければと思います!」
取材・文/石川ひろみ