赤坂アカが明かす、「かぐや様は告らせたい」7年半で迎えた完結への感慨。白銀やかぐやたちに伝えたい「またね」
赤坂アカによる漫画「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」を原作にしたアニメ「かぐや様は告らせたい」。テレビアニメ第3期のその後の物語を描いた『かぐや様は告らせたい -ファーストキッスは終わらない-』(公開中)が、テレビ放送に先駆けて劇場で特別上映されている。
そこでMOVIE WALKER PRESSでは、原作者の赤坂にインタビューを敢行。ラブコメを主軸としながらも、シリアスな人間描写や胸を打つ青春ストーリーまでを描いた創作活動の原点やアニメ化作品の満足度、7年半にわたる連載が終了した感慨までを語ってもらった。
「文化祭以降がアニメ化されるのは、想定外だった」
エリートの集う秀知院学園の生徒会で出会った生徒会長の白銀御行(古川慎)と、副会長の四宮かぐや(古賀葵)。本シリーズは、両想いであるはずの天才2人が、互いに相手から告白させようと権謀術数の限りを尽くす様を描くラブコメディだ。『かぐや様は告らせたい -ファーストキッスは終わらない-』では、テレビアニメ第3期のその後の物語が展開。文化祭で初めてのキスをした白銀とかぐやが、関係性が曖昧なままクリスマスを迎え、お互いを想いながら恋に悩む姿をつづる。
原作漫画について、白銀とかぐやがキスをした文化祭以前と、それ以降で「第1部と第2部にわけて考えている」という赤坂。「誰しもが持っている恋愛感情をフィーチャーして、文化祭で風船を飛ばして華々しく終わるのが第1部。アニメ化するうえでは、絵面としても文化祭のラストの描写は映えるだろうなと思っていました」と切りだし、「第1部の先がアニメ化されることは、想定外でした」と驚きがあったことを告白。第2部からは「白銀とかぐやという少し特殊な人間の内面により深く入り込んでいく」ことから、アニメ化は難しいのではと感じていたという。
その言葉通り、赤坂が言うところの第2部の始まりとなる「ファーストキッスは終わらない」では、かぐやが他人と関係性を築くことに不安やコンプレックスを抱えていることや、かぐやと対等になれないのではと悩む白銀の姿など、彼らの複雑な心理描写がつづられる。「ファーストキッスは終わらない」には、どのような想いを込めていたのだろうか。
赤坂は「原作で、当初最終回として想定していたのが『ファーストキッスは終わらない』だったんです」と明かし、「文化祭でお互いの気持ちは伝わったけれど、恋愛というものが白銀とかぐやに対してどのような作用をもたらすのかということまでには、踏み込んでいません。恋愛の光と闇というか、彼らにドロっとしたものも受け入れた、その先にある関係性を構築してほしいというのが、僕の願いでした。白銀とかぐやというキャラクターについてのアンサーが、ここにある」とコメント。「描いているうちに彼らが抱えているものが見えてきて、いつも『それを解決するにはどうしたらいいんだろうか』と考えていました。『ファーストキッスは終わらない』に出てくる“氷かぐや”という人格は、かぐやの根源的な感情の一つ。この感情を解決しないことには、本作は終われないだろうという気持ちで描き進めてきました」とどうしても描かなければならないエピソードだったと話す。