強大な悪の正体が判明!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』本予告編&本ポスターが解禁
『ミッドサマー』(19)などで知られるスタジオ「A24」史上最大のヒットを記録し、本年度のハリウッド批評家協会賞でも作品賞を含む7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日公開)。このたび本作の本予告編と本ポスターが解禁となった。
経営するコインランドリーが破産寸前で、トラブルだらけの家族を抱えた主婦のエヴリン(ミシェル・ヨー)。ある日、彼女のもとに“別の宇宙(ユニバース)から来た”と名乗る夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)が現れる。彼から「全宇宙を救えるのは君だけだ」と、突如世界の命運を託されたエヴリンは、啞然としながらも夫に導かれ、マルチバースへ飛び込む。そこでは予想も常識も遙かに超えた壮大な闘いが待ち受けていた。
新たに解禁された本予告では、全宇宙にカオスをもたらす“強大な悪”の正体が明らかになる。その正体は、なんと反抗期まっただなかである実の娘、ジョイ(ステファニー・スー)だった。衝撃の真実を知ったエヴリンは、暴走する娘を止めて全人類を救うために、“別の宇宙の自分”にリンクし、彼女たちが持つスキルにアクセスできる“バース・ジャンプ”というパワーを習得。カンフーマスター、女優、料理人、歌手と、ありとあらゆるマルチバースを飛び回り、新たなヒーローへと覚醒していく。
廃れたコインランドリーから一転、豪華絢爛なパーティー、カンフー映画のセット、さらに富士山や新幹線など、日本を彷彿とさせる世界が登場する本作。1本の映画とはとても思えないマルチバースでのバトルが繰り広げられるなか、終盤では「宇宙なんてどうだっていい、私はあんたと一緒にいたい」と、全宇宙の命運を投げ捨ててでも家族を守ろうとするエヴリンの姿が描かれていく。果たして戦いの果てに、どんな感動と驚きが待ち受けているのか?
あわせて一新された本ポスターも解禁。ファイティングポーズをキメたエヴリンを中心に、小指で腕立て伏せをするカンフーエヴリン、異様に伸びた指を持つSF風のエヴリン、さらに奇想天外なマルチバースの登場人物たちが散りばめられ、鮮明なレッドがただならぬカオス感を漂わせている。
メガホンをとったのは、『スイス・アーミー・マン』(16)のダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン監督。本作にはファミリードラマ、SF、哲学、カンフーなど、いろいろな要素を含む12ものストーリーラインを組み込んだと、ダニエルズ監督は明かす。「様々な要素を盛り込んだ映画だが、この映画を一番簡単に言えば、混沌のなかで家族に目を向けることの大切さを学ぶ母親の話です」と語るように、荒唐無稽でカオスなアクション・エンターテイメントでありながら、「もしも、あの時、あの選択をしていれば…」と、誰もが抱くような素朴な想いに共感できる人間ドラマとなっているようだ。
第80回ゴールデン・グローブ賞でも、主演女優賞(ミュージカル・コメディー部門)や、助演男優賞を受賞し、世界の映画賞において428ノミネート、163受賞(2023年1月17日時点)と、賞レースを席巻中の本作。アカデミー賞の最有力候補作の1本としても大いに期待したい。
文/山崎伸子