アジア最大のアニメ映画祭「第1回新潟国際アニメーション映画祭」コンペ作品決定、押井守からのコメントも到着
2022年5⽉、カンヌ、東京、新潟と異例の3都市同時中継記者会⾒にて開催が発表された第1回新潟国際アニメーション映画祭。本映画祭のコンペ参加作品が決定し、あわせて本ビジュアルと審査委員長の押井守からのコメントが到着した。
⻑編商業アニメーションにスポットを当てた、⻑編アニメーション映画のコンペティション部⾨をもつアジア最⼤の祭典として、新潟から世界へアニメーション⽂化を発信する「新潟国際アニメーション映画祭」。コンペ部門は11⽉1⽇より国内外に作品募集のアナウンスがされ、12⽉23⽇の締め切りまでに⽇本を始めとして、フランス、⽶国、アルジェリアなど世界15ヶ国から21作のエントリーがあった。そして、年末年始に選考委員たちによる厳正な審査が⾏われ、10本の参加が決定している。
注⽬の第1回⽬のコンペ部⾨の⾒どころについて、プログラミング・ディレクターの数⼟直志は「世界のアニメーションの潮流を体現する良質な作品が多数集まりました。映画祭が参加者のあらゆる意味で刺激する場になることは間違いないでしょう」と期待を込める。また、『機動警察パトレイバー the Movie』(89)、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)などの監督を務めた押井守は、記念すべき第1回⽬の審査委員⻑として作品のラインナップについて「この映画祭は⻑編映画に絞ったコンペティションということで、⼤作過ぎずアート寄り過ぎず、これまで受け⽫がなかった作品にスポットライトがあたることを期待しています」とコメント。
同時に、本映画祭のもう⼀つの特徴として、毎年、アニメーションの技術職のスタッフ、そして企業、スタジオを選出し、その業績を映画祭にて顕彰する⼤川=蕗⾕賞が創設されたことにも、アニメ関係者から熱い視線が注がれている。⼤川博は1957年に当時、東洋最⼤といわれる東映動画スタジオを⽴ち上げ、また⽇本初の⻑編フルカラーアニメーション映画である『⽩蛇伝』(58)を制作、蕗⾕虹児は本作に先⽴つ⽇本初のフルカラー短編アニメーション『夢⾒童⼦』の監督、構成、アニメーターを務めたことで知られている。第⼆次⼤戦後の⽇本のアニメーション⽂化の⽴上げに⼤きな役割をはたした、新潟出⾝でもある⼆⼈の名を冠した⼤川=蕗⾕賞。若⼿を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、作り⼿の⽅々を顕彰することで、アニメーションの⽂化の発展、振興への貢献を⽬指すことにも注⽬が集まっている。
”アニメーション首都宣言”をする新潟で開催される「第1回新潟国際アニメーション映画祭」。本映画祭で出会える、新たなアニメーション作品に期待は高まるばかりだ。
文/サンクレイオ翼