清水崇、堀未央奈、ゆりやんレトリィバァらが「第2回日本ホラー映画大賞」を総括!選考委員が期待する“次世代の才能”は?
今回新たに選考委員に加わったゆりやんは、授賞式の壇上でも持ち前のコメディセンスを見せつけ、審査員特別賞を受賞した『いい人生』の川上颯太監督と抜群のコンビネーションを披露して会場を盛り上げた。
「みなさん第1回から選考委員をされていて、和気あいあいとしたなかに加わるのはちょっぴり緊張していたのですが、すぐに受け入れてくれたおかげでとても楽しかったです」と初めて選考する側に回った感想を述べたゆりやん。「選考会が終わってから宇野さんに『選考会中はボケないんですね』って言われたのが一番のホラーでした」とつぶやき、「私自身が賞レースを経験してきたこともあって、皆さんが人生をかけて出してきた作品をボケて審査することはできませんでした」と真摯な姿勢をのぞかせる。
そして話題は、今回の一次選考通過作の特徴として清水監督が挙げた“2度目の応募”に挑んだ監督たちについて。第1回に『closet』でニューホープ賞を受賞し、今回再びほぼ一人で作り上げた『The View』でオカルト部賞を受賞した中野滉人監督についてFROGMANは「同じシチュエーションで同じようなものをやりながらも決勝まで勝ち残ってきたのは、自分のスタイルを掴んでいるからだと思います。彼にはちゃんとお金とスタッフを用意したらすごいことになるんじゃないかと」と脱帽。
また、第1回では『傘カラカサ』でオカルト部を受賞し、今回『彼は僕だったかもしれない』で出演者の二色冬香にホラーちゃんねる賞をもたらしたヤマモトケンジ監督の名を挙げた小出。「僕の好きなPOVのファウンドフッテージもので、ちゃんとドキドキハラハラする展開が作られていて即戦力だと感じました。前作は妖怪ものなので、ジャンルが全然違う。引き出しがたくさんある方なんじゃないかと、選考会では激しく推していました」と告白する。
それを受けて宇野は「『リング』がビデオテープだったように、その時のメディアを媒介して呪いは広がる。今回もYouTuberを題材にした作品がいくつもあり、そうしたベタなものを新しく見せてくれるのは力がある証拠です」と力説。その上で「YouTuberは出てくるとだいたい殺されがちですが、そういう常識をあえて逆にしてみると意外性が生まれるでしょう」と提案し、小出も「殺されないYouTuberってホラーでまだ見たことないですね」と声を弾ませていた。
最後に選考委員長である清水監督は作品を応募してくれた監督たちや賞の関係者への感謝を述べると、「賞に選ばれなかった作品でも、選考委員の誰かしらが推していました。次の『第3回日本ホラー大賞』が行われる際には、自信を持って応募していただけたらと思います」と、さらなる驚きと恐怖に満ちた作品がやってくることを熱望した。
取材・文/久保田 和馬