「第2回日本ホラー映画大賞」は近藤亮太監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』に決定!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「第2回日本ホラー映画大賞」は近藤亮太監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』に決定!

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「第2回日本ホラー映画大賞」は近藤亮太監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』に決定!

新たな時代のホラー映画作家の発掘・支援を目的に、大賞受賞者には商業映画監督デビューが確約される日本初のホラー映画専門フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」。その第2回授賞式と受賞作上映会が1月21日にEJアニメシアター新宿にて開催。選考委員長の清水崇監督を筆頭に、選考委員のFROGMAN、堀未央奈、小出祐介、宇野維正、ゆりやんレトリィバァと、各賞の受賞者が登壇した。

応募総数128作品!「第2回日本ホラー映画大賞」の大賞に選ばれたのは…
応募総数128作品!「第2回日本ホラー映画大賞」の大賞に選ばれたのは…冨安由真『Sisters』[c] Yuma Tomiyasu, photo by Ken Kato

今回の応募総数は実写・アニメーションあわせて128作品。そのなかから一次選考を通過した作品を選考委員が隅々まで鑑賞した上で厳正に審査を実施。先ごろ行われた選考会議は約3時間に及ぶ長丁場となり、「大賞」と「審査員特別賞」「アニメ部門賞」の3つの賞の受賞者が決定した。また、今回から新たに創設された俳優賞にあたる「ホラーちゃんねる賞」など、運営を務める各社からの賞も含め、計9つの賞が次世代のホラー映画界を担う新たな才能たちに贈られる。

授賞式の冒頭、「日本ホラー映画大賞」のチェアマンを務める株式会社KADOKAWAエグゼクティブ・フェローの井上伸一郎は「最終選考に残った作品をすべて拝見させていただきました。第1回の際には心霊ものなど、昔ながらのJホラーのテイストが多かったのですが、今年は新しいタイプのホラー作品がいくつか見受けられました」と全体を総括。「ホラージャンルの広がりを実感しました。皆さまにも新しい風を実感していただきたいと思います」とコメントした。

大賞を受賞した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督
大賞を受賞した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督

そして栄えある大賞に選ばれたのは、近藤亮太監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』。選考委員長の清水監督は「正直に言いますと対抗馬もありましたが、そのなかで近藤監督の『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』がやはり突出したものがあるということで選ばせていただきました」と語り、近藤監督に祝福の言葉をかける。

第1回日本ホラー映画大賞の際に『その音がきこえたら』でMOVIE WALKER PRESS賞を受賞した近藤監督は、「今年は当日この場で受賞する賞を知らされて、いま、頭が真っ白になっています」とスピーチ。「5年くらい映画作りから離れていて、一昨年にホラー映画大賞ができたのをきっかけに映画作りを再開し、一つの目標ができました。昨年賞をいただいた時に来年は大賞を取ろうとこの映画を作りました」と喜びを語り、協力してくれた人々や両親への感謝を述べた。

審査員特別賞を受賞した『いい人生』の川上颯太監督
審査員特別賞を受賞した『いい人生』の川上颯太監督

審査員特別賞を受賞したのは、川上颯太監督の『いい人生』。ゆりやんレトリィバァは本作について「選考のなかで皆さんが“斬新だ”とおっしゃっていて、この賞にぴったりなのはこれしかないということで選ばせていただきました」とコメント。19歳の川上監督は「宝くじに当たったような気分です、まだ信じられないです」と満面の笑みでスピーチしながら、ゆりやんのギャグに付き合って会場を大いに沸かせた。

アニメ部門賞を受賞した『学校が嫌いだ』の奥田悠介監督
アニメ部門賞を受賞した『学校が嫌いだ』の奥田悠介監督

第1回では該当作なしとなった「アニメ部門賞」には、奥田悠介監督の『学校が嫌いだ』が選ばれた。奥田監督は「悔しいこととか悲しいこととかをヘドロみたいに丸めて、いつか僕をバカにしてきた奴らにザマアミロとぶつけてやろうと思っていました。今日がやっとその日だと思っています。私をバカにしてきた方々、受賞しました。20万円をもらったので、念願だったプレステ5を買おうと思います。」とコメント。会場から温かな拍手が巻き起こる。

MOVIE WALKER PRESS賞を受賞した『笑顔の町』の小泉雄也監督
MOVIE WALKER PRESS賞を受賞した『笑顔の町』の小泉雄也監督

また、MOVIE WALKE PRESS賞を受賞したのは小泉雄也監督の『笑顔の町』。小泉監督は「いつもはクリーチャーっぽいのが好きですが、今回は怖さに振り切ってみようと、人間の怖いところはどこだろうと思った時に、“笑っている顔が怖い”というところに辿り着きました」と創作の経緯を振り返る。そして「一緒に作ってくれたチームで作品にでき、このような賞をいただけてうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔でスピーチした。

【写真を見る】第1回の大賞受賞作『みなに幸あれ』は古川琴音主演で長編リメイク!初出しの映像もお披露目に
【写真を見る】第1回の大賞受賞作『みなに幸あれ』は古川琴音主演で長編リメイク!初出しの映像もお披露目に[c]KADOKAWA

第1回の大賞を受賞した下津優太監督は、受賞作の『みなに幸あれ』の長編セルフリメイク版を清水崇プロデュースのもと、古川琴音を主演に迎えて制作中。2022年11月に撮影を終え現在編集作業が進められているとのことで、今回の第2回授賞式&受賞作上映会の会場ではその先行特別映像の上映も行われた。『みなに幸あれ』は2023年秋に劇場公開を予定している。「日本ホラー映画大賞」から羽ばたく新時代のホラー作家たちの今後に注目していきたい!

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